お笑い芸人の千原せいじ氏と、埼玉県戸田市議の河合ゆうすけ氏が、7月18日にニコニコチャンネルプラスの有料ライブ配信で「外国人問題」をテーマに対談を行った際、激しい口論となり、インターネット上で大きな波紋を呼んでいます。「お前、いじめられっ子やったやろ?(笑)」「全然違うよ、そんなもん」「お前、いじめられっ子オーラ、いかついぞ! お前、いじめられっ子出身やな」といった挑発的な言葉が飛び交い、一触即発の事態に発展しました。この対談は、多文化共生社会におけるデリケートな問題を扱う中で、著名人と地方議員という異なる立場からの激しい意見のぶつかり合いとして、視聴者から注目を集めました。
対談の発端:「いじめられっ子」発言と先行する因縁
千原せいじ氏が「外国人問題」をテーマに、戸田市でクルド人などの移民問題に取り組む河合氏をゲストに招いたこの対談は、せいじ氏が西川口市や蕨市で事前ロケを行った後に実施されました。対談冒頭、河合氏がAbemaTVでの対談をきっかけに因縁のある田村淳氏をYouTubeで「ボコボコにした」と語ると、せいじ氏が敏感に反応。ここから二人の間に口論が始まり、「そんな対決姿勢では賛同できない」とするせいじ氏に対し、河合氏は「賛同してもらわなくて結構、みんなから票を入れてもらいたいとも思ってない、ニーズがなければ去る」と発言。対談開始わずか5分30秒で、河合氏の側から「やめましょう」という提案が飛び出す異例の展開となりました。
「芸能人だからって調子乗ってる」泥沼の言い争いへ
大人の喧嘩はここからさらにエスカレートしました。河合氏は、そもそも出演を依頼したのは千原氏側であると指摘し、「来てやってるんですよ! 私は。ゲストとして来てやってるんですよ。連絡したの、そっちでしょ? あなたのほうから連絡したじゃないの、こっちに。わざわざ時間取って来てやってんですよ」と激昂。これに対し、せいじ氏が「もうアカン。これが戸田市の市議会議員ですよぉ? こわいわー。こわい、こわい」と応じると、河合氏は「あなたのほうが傲慢でしょ。芸能人だからって、調子乗ってるんじゃないですか」と反論し、泥沼の様相を呈しました。
京都出身の河合氏が埼玉・戸田市議を務めていることに対し、せいじ氏は「そもそも京都出身って、蕨になんの思い入れもクソもないやろ?」と挑発。河合氏が「関係ないやろ、別に。どこで働いたって勝手やろ。お前も東京で働いてるやんけ! 大阪より東京で働いてるやんけ、お前も」と応酬すると、せいじ氏は血相を変え、「別に東京の文句、なんも言うてへんやんけ! お前が蕨のこと全部背負うてるみたいなことガチャガチャ言うからやんけ!」とドスの利いた声で威圧しました。トーク開始から約15分間、激しいやり取りが続いた後、一旦せいじ氏のロケVTRを視聴することになりましたが、VTR後も二人の主張は平行線を辿る結果となりました。
千原せいじと戸田市議河合ゆうすけ氏、白熱した「外国人問題」対談の様子
千原せいじ氏の物議を醸す発言と世間の反応
対談は冒頭の「いじめられっ子」発言から収拾がつかない大荒れとなり、千原せいじ氏はその他にも「ネットにコメントを書き込む人間はアホばかり」「犯罪なんて、どこでも起こってる」「こんなのを支持している戸田市民はヤバい」、さらには外国人問題に「興味ない」と語るなど、河合氏を煽るような発言を連発しました。事前に行った西川口と蕨でのロケVTRの中でも「全然やん。(名古屋の)栄のほうが全然ヤバい」「そのうちクルド人が市長になるんちゃうか」といったコメントを発しており、これらの発言も二人の対談をさらにヒートアップさせる一因となりました。
この対談の様子は、せいじ氏のYouTubeチャンネル『せいじんトコ』でも一部が無料視聴できますが、動画公開後、X(旧Twitter)上では「久々に動画見てて頭に血がのぼった。芸能人だからってコイツ調子乗りすぎやろ」「千原せいじは終始対談を“やってやってる”って感じ 相手から反論されて『興味ない』と吐き捨てるところも最悪」など、せいじ氏に対する批判が殺到しました。自身のYouTubeのコメント欄にも、せいじ氏を批判する声が多く寄せられる事態となっています。
芸能ジャーナリストは、この状況について次のように分析します。「千原せいじさんといえば、これまでアフリカ大陸だけでも40回以上訪れるなど、テレビ番組で何度も海外を訪れ、『海外ロケ王』の異名を取ることで知られています。持ち前の“がさつ力”で、さまざまな外国人と触れ合ってきた彼からすると、日本国内で起きている“外国人問題”は些細なものに映ったのかもしれません。お笑い芸人であるせいじさんがブチギレるのは芸のうちとしても、戸田市民の代表である河合氏の態度も決して褒められたものではありませんでした。」
今後の展望:対立の先に共創はあるか
今回の対談を通じて、千原せいじ氏と河合ゆうすけ氏の間で激しい意見の対立が浮き彫りとなりましたが、両者の間には、ある種の緊張感を持った相互作用が見られました。対談の中で河合氏から「(西川口や蕨でのロケに)私と行ったら全然違うと思う」と言われたせいじ氏は、「ほな、お前と行ったるわ!」と威圧的に宣言してみせています。
この発言は、単なる口論の延長線上にあるのか、それとも対立から一歩進んだ、問題解決に向けた新たな共創の可能性を示唆するものなのか、注目が集まります。果たして、二人が再び現場で顔を合わせる「河合氏とのロケ」は実現するのでしょうか。この一件は、公共の場でデリケートな社会問題を議論する際のコミュニケーションの難しさ、そして著名人の発言が社会に与える影響の大きさを改めて浮き彫りにしました。今後の両者の動向、そして外国人問題への関心がどう変化していくのか、引き続き注目していく必要があります。