玉川徹氏、参院選投票率上昇に「果たしてどうだろう」SNS影響への疑問と分析

元テレビ朝日社員の玉川徹氏(62)は21日、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」に生出演し、投票率が上昇した参院選について「投票率が上がるのはいままではいいことだと思っていたけど、果たしてどうだろう」と、その背景に疑問を投げかけました。これは、近年の政治参加の形と情報伝達の変化を深く考察する必要があるという、玉川氏の問題提起です。

参院選投票率の顕著な上昇とその背景

今回の参院選では、投票率が前回比で6.47%も上昇し、平成19年(2007年)以来のレベルにまで回復しました。これまで参院選の投票率は右肩下がりで推移していたため、この急激な回復は注目に値します。玉川氏は「ここ10年くらい、選挙に行かなくなった人、そういう人が行ったんですね。今回。誰が行ったんだろうということは分析しないといけないと思うんです」と述べ、この新たな有権者層がどこから来たのか、その動機を深く掘り下げる必要性を強調しました。

玉川徹氏がテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」で参院選投票率について分析する様子玉川徹氏がテレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」で参院選投票率について分析する様子

SNSが牽引する新たな投票行動

投票率上昇の具体的な要因はまだ不明ですが、玉川氏は評論家の古谷経衡氏の分析に言及し、SNSの影響が大きかった可能性を指摘しました。「いままで、選挙にぜんぜん興味が無い人、選挙どころか、政治に興味ない人」が、SNSのショート動画などを通じて初めて政治に触れ、投票行動に至ったケースが増えているといいます。特に参政党に投票した層の中には、「いままで興味なかったんだけど」という人が「たまたまSNS見てたらショート動画を見て」感化されたという事例が見られました。

これは従来の投票行動とは大きく異なる点です。これまで選挙に行く層は、政治や選挙に関する基本的な知識を持っている人が大半でした。しかし、今回の参院選では、近現代史や与野党の構造といった基本さえ知らない、いわゆる「政治無関心層」が、SNSのアルゴリズムによって届けられた情報に初めて触れ、それに感化されて投票行動を起こしたと玉川氏は推察しています。デジタルメディアが世論形成に与える影響の大きさを浮き彫りにする現象と言えるでしょう。

投票率上昇が社会に与える影響への懸念

このような経緯で投票率が押し上げられた場合、それが「社会にどんな影響を与えるかというのは僕ちょっと分からないですね。未知数」と玉川氏は語ります。彼は「いままでは投票率上がるいいことだと思っていたけど、果たしてどうだろうと。これからの日本を考えた時にというか。10年後に振り返った時に」と述べ、単なる投票率の数値だけではなく、その質と背景を考慮する必要があると警鐘を鳴らしました。特に比例代表制における投票行動の分析が、今後の日本の政治と社会の方向性を理解する上で重要であるとの見方を示しています。

参考資料

  • 羽鳥慎一モーニングショー
  • ニッカンスポーツ
  • Yahoo!ニュース
  • 古谷経衡氏の政治分析

(情報源:テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」での玉川徹氏の発言、および関連報道)