石破首相、参院選敗北も続投表明 国政停滞回避へ決意

石破茂首相は21日午後、自民党本部で会見し、参議院選挙での与党過半数割れという厳しい結果を受けながらも、首相続投の意向を表明しました。米国との関税交渉や物価高、国際情勢の変化など、山積する課題への対応を挙げ、国家と国民への責任を全うする決意を強調しました。

参院選結果と続投への責任

首相は前日に投開票が行われた参院選で、自民党と公明党の連立与党が目標とした非改選を含めた議席の過半数を維持できなかったことについて「極めて厳しい国民の審判をいただいた」と受け止め、「重大な責任を痛感」すると表明しました。一方で、「比較第一党としての責任、国家、国民への責任を果たしていかなければならない」と語り、続投の理由を説明。自身の進退に関しては「党内に様々な意見があるのは当然。どういう議論が出て、どう収れんするかで適切に判断する」とし、「自らのことを考えて判断するということはない」と強調しました。

自民党本部で記者会見を行う石破茂首相。参院選の厳しい結果を受け、続投の意向を表明し、国政課題への責任を強調した。(2025年5月21日、東京)自民党本部で記者会見を行う石破茂首相。参院選の厳しい結果を受け、続投の意向を表明し、国政課題への責任を強調した。(2025年5月21日、東京)

国政停滞回避への取り組み

参院選敗北に伴う党役員人事については、「現時点で考えを持っていない」と明言しました。法案を通過させるには野党との連携が必要となる状況ですが、石破首相は「現時点で連立の枠組みを拡大するという考えは持っていない」と述べつつも、「ともに責任を持って優れた政策、方策を作り上げていけるみなさんと真摯な議論を続けたい」と協調姿勢を示しました。首相は会見の中で、「国政に停滞を招かないことが大事。政治には一刻の停滞も許されない」と強調し、安定的な政権運営への強い意志を示しました。

日米貿易交渉と喫緊の経済課題

特に喫緊の課題として挙げた米国との関税交渉については、「8月1日の新たな節目も念頭に、関税でなく投資という考え方を基盤に日米双方にとって利益となる合意を実現する」と具体的に言及しました。さらに、「できる限りトランプ大統領と直接話をし、目に見える成果を出していきたい」と意欲を語りました。物価高や国際情勢の変化といった経済課題にも触れ、政府として責任を持って対応していく方針を改めて強調しました。

石破首相は、参院選の厳しい結果を真摯に受け止めつつ、国家の直面する課題解決と国政の停滞回避に向け、首相としての責任を全うする決意を改めて示しました。国内外の喫緊の課題に対し、リーダーシップを発揮していく姿勢が明確です。

出典:Yahoo!ニュース