国会議員の高齢化問題:菅副総裁の「異変」が示す健康不安と定年制の議論

7月23日夕方、石破茂首相(68)が退陣報道を否定する中で、参議院選挙での自民党大敗後、政界の大きな焦点となっているのが、国会議員の高齢化問題です。特に、投票日から一夜明けた21日に石破首相の会見に同席した菅義偉副総裁(76)に見られた「異変」は、この問題にさらなる注目を集めました。政治家の健康状態と、彼らがその職務を全うできるのかという国民の懸念は高まる一方で、国会議員への「定年制」導入の是非が喫緊の課題として議論され始めています。

菅副総裁に指摘された「異変」の具体的な様子

会見に臨んだ菅義偉副総裁は、上半身をやや前傾させ、非常にゆっくりとした足取りで現れました。会見中も、他の自民党幹部が時折頷いたり、記者団に視線を向けたりする中で、菅氏は一点を見つめたままほとんど動かず、終始うつろな表情を浮かべていたと報じられています。この様子にX(旧Twitter)上では「石破の会見で菅さんピクリとも動かないけど大丈夫か」といった声が多数あがりました。昨年10月の衆議院選挙の際にも、菅氏が支援者に自ら話しかけることもなく、覇気のない表情で力なくグータッチを交わす動画が拡散されており、健康状態への不安は以前から指摘されていました。

菅義偉副総裁(76)が会見で異変が指摘された際の様子。表情には覇気がなく、国会議員の高齢化問題が浮き彫りに。菅義偉副総裁(76)が会見で異変が指摘された際の様子。表情には覇気がなく、国会議員の高齢化問題が浮き彫りに。

「国会議員にも定年を」国民から噴出する声

菅副総裁の「異変」をきっかけに、インターネット上では国会議員の高齢化に対する国民からの厳しい声が相次いでいます。「国会議員には定年制度が必要だ。国民は定年制度ありきで生活しているのに、彼らは国民生活事情が全く分からない要因の一つだ」「若手人材が育たず、現在の瀕死の与党になっている」といった指摘が見られます。また、「国会議員は公の仕事だから健康診断を公表し、進退を考えることが必要」「今回の壇上にいた方々の平均年齢は75歳前後。これで本当に大丈夫なのか」という声も上がり、「一般企業なら考えられないご年齢。見ていて気が重くなるし、本当に仕事ができるのか心配。一体いつまでやるつもりなのか。国会議員も年齢制限を設けてはどうか」と、制度改革を求める意見が噴出しています。

高齢化が止まらぬ政界:相次ぐ健康状態への懸念

国会議員の健康不安が指摘されるケースは、菅氏に限ったことではありません。今回の参院選に合わせ、7月13日放送の『日曜討論』(NHK)に出演した森山裕幹事長(80)は、話すスピードが遅く、視線は常に手元のメモに固定され、話が長くなり司会者に「まとめてください」と遮られる場面も見られました。また、昨年11月の総理大臣指名選挙の際には、岸田文雄氏(67)や高市早苗氏(64)、山口俊一氏(75)らが談笑するすぐ隣で、平沢勝栄氏(79)が彼らの話がまったく耳に入っていないかのように微動だにしない動画がSNS上で拡散され、政務に取り組む能力への不安が広がりました。

自民党内規と「年齢制限なし」の現実

自民党では名目上、衆議院選挙の比例代表候補には「73歳定年制」、参議院選挙の比例代表候補には「70歳定年制」という内規が適用されています。しかし、重要な点として、小選挙区にはこの年齢制限が適用されません。これにより、実績のあるベテラン議員が選挙区から再選を重ね、党内の世代交代が進みにくい構造となっています。この内規の抜け穴が、国会議員の高齢化に拍車をかけている一因とも言えるでしょう。

現職議員の死去が問いかける「定年化」の必要性

2023年には、衆議院議員在職中に細田博之氏(79)が死去するという事態が発生しました。体調が思わしくない中で、死去の1カ月前まで衆議院議長を務めていたこともあり、この時もSNS上では「国会議員の定年化」の必要性が大きな話題となりました。一般企業では定年制が広く導入されているのに対し、国会議員にはそれが存在しない現状は、政治の機能性や国民との感覚の乖離という点で、ますます疑問視されています。

まとめ:政治の健全性を守るための定年制議論

国会議員の高齢化は、日本政治における避けられない課題となっています。菅義偉副総裁の「異変」をはじめとする複数のケースや、国民から噴出する「定年制」導入を求める声は、この問題が単なる個人の健康問題ではなく、政治全体の健全性に関わる深刻なテーマであることを示唆しています。世代交代を促し、国民の負託に応えるためにも、国会議員への定年制導入に向けた真剣な議論が、今まさに求められています。


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