参政党・神谷代表「外国人特権はない」発言、党の「日本人ファースト」公約と波紋

参政党の神谷宗幣代表が2025年7月20日の記者会見で「外国人特権」について問われた際、「日本ではないんじゃないですか」と発言し、国内外で注目を集めています。この発言は、同党が掲げる「日本人ファースト」のスローガンや公約との間で、一部に矛盾があるのではないかとの指摘が出ています。

参政党代表の神谷宗幣氏が記者会見で発言する様子参政党代表の神谷宗幣氏が記者会見で発言する様子

参政党の公約と「外国人優遇」訴えの背景

参政党は、20日投開票の参院選において、「日本人ファースト」を主要なキャッチコピーに掲げました。主な公約としては、外国人受け入れ基準の見直し、新たな「外国人総合政策庁」の設置、そして外国人による不動産購入の規制などが挙げられます。これらの政策は、日本人の利益を優先し、外国人の流入や特権的な扱いを是正するという党の基本的な姿勢を示しています。

選挙期間中、参政党の候補者たちは街頭演説で「外国人優遇」が存在すると繰り返し訴えてきました。例えば、広島選挙区から立候補した小石美千代氏は7月4日の演説で「なぜ日本はどんどん外国人を優遇してしまうんでしょうか?」と問いかけ、神奈川選挙区の初鹿野裕樹氏も7月3日の演説で「別に外国人を差別するわけではないんです。しかし外国人ばかり優遇された状況があるんではないかと思うわけですよ」と主張していました。彼らの発言は、有権者の間に存在する外国人に対する懸念に訴えかけるものでした。

留学生奨学金制度に関する事実と誤解

小石氏や初鹿野氏が「外国人優遇」の一例として挙げたのは、留学生向けの奨学金でした。具体的には、「次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)」や「国費外国人留学生制度」を指しているとみられます。しかし、これらの制度はすべての留学生に給付が保証されるものではありません。

特に「SPRING」については、2025年6月26日には、この制度で給付される研究費と生活費のうち、生活費の給付対象を日本人学生に限定する方針が決定されたと報じられています。これは、日本人研究者の育成を強化する狙いがあるとされており、外国人優遇との批判を受けて政策が見直された可能性を示唆しています。

神谷代表の記者会見での発言とSNSでの反応

7月20日の記者会見で、神谷代表は記者から「外国人特権はあると思うか」と直接質問されました。これに対し、神谷氏は「外国人に特権?特に日本ではないんじゃないですか」と回答。続けて、「ただ、日本人が平等じゃないなと感じるような事例がいくつかあるのかもしれませんね」と付け加えました。

この神谷代表の発言は、党がこれまで「日本人ファースト」を強く訴え、外国人優遇の是正を主張してきたことと矛盾すると受け止められ、SNS上、特にX(旧Twitter)で大きな波紋を呼びました。ユーザーからは、「手のひら返しの素早さ」「言っていたことになんの責任も負おうとしていない」といった批判的な声が多数寄せられ、神谷代表の真意や党の姿勢に対する疑問が広がっています。

その後の動向と今後の注目点

神谷代表は7月22日にも記者会見を開きましたが、この「外国人特権」に関する発言についての追加のやり取りや釈明はありませんでした。

今回の神谷代表の発言は、参政党の政策の一貫性や、党が掲げる「日本人ファースト」の具体的な意味合いについて、改めて社会的な議論を促すこととなりました。今後、党がこの矛盾に対する説明をどのように行っていくか、そして国民の理解をどのように得ていくかが注目されます。

Source: https://news.yahoo.co.jp/articles/112e5bbb4c72f02efbf5002bc88d24104ec9ae53