OPEC減産強化を協議 原油価格維持へ目標拡大も


 石油輸出国機構(OPEC)は定例総会をウィーンで5日に開いたのに続き、6日には、ロシアなど非加盟の主要産油国との会合「OPECプラス」を開催。一連の会合で原油価格の下落に歯止めをかけるため、すでに実施している協調減産の強化を決める予定だ。現在の日量120万バレルの減産目標に対し、170万バレルへの引き上げが検討されている。ただ、減産に賛同しない産油国もあり、会合の難航も予想される。

 現在、原油生産量を2018年秋の水準と比べ、日量で計約120万バレル減らす取り組みをしている。当初は今年1月から6月までとしていたが、原油価格の下落を受け、今年7月のOPEC総会で、来年3月までの延長が決まった。

 そういった減産措置に加え、9月のサウジアラビアの石油施設への攻撃など、中東地域での地政学リスクが高まる中でも、原油市況は、さえない動きのままで、一定のレンジ幅で推移している。

 今後については、米中貿易摩擦による世界経済の減速によるエネルギー需要の減少の一方、米国の原油供給がさらに拡大することが見込まれ、供給過剰となって、原油価格が下落する懸念が強まっている。

 このため、OPECでは供給を抑制するため、今回、減産目標を日量50万バレル引き上げ、170万バレルに引き上げることで、各国との調整に入っている。これにより、原油市況の押し上げを狙う。

 サウジにとっては、国営石油会社サウジアラムコの新規株式公開(IPO)を控え、原油価格を引き上げることで、アラムコの株価下支えを図る狙いもあるとみられる。

 6日のOPECプラスの会合後、記者会見で、新たな減産措置が発表される予定。だが、関係者によれば通常は事前に示されている会見開始時間が、今回は会合終了後とだけしか伝えられず、会合の終了時刻のめどはたっていない。そのため会合終了は日本時間の7日未明にずれ込む可能性が高いとされている。(平尾孝)



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