千原せいじ、日本仏教協会顧問を辞任:僧侶としての壮大な夢に暗雲

7月22日、日本仏教協会は、お笑い芸人の千原せいじ氏が協会の顧問を辞任していたことを公式サイトで発表しました。現在、彼の発言が大きな批判を浴びている最中であり、この辞任は彼が僧侶として思い描いていた夢の実現に影を落とす可能性が指摘されています。

わずか1年での顧問辞任の経緯と世間の反応

千原せいじ氏は2024年5月、自身のInstagramで「本日、得度式をあげさせていただきました。天台宗 千原靖賢和尚となりました」と報告し、僧侶になったことを公表しました。同年11月には、日本仏教協会の顧問に就任したことが発表され、その多才な活動が注目を集めました。

しかし、協会公式サイトによると、せいじ氏からは2025年5月13日に顧問辞任の意向が伝えられ、6月25日には顧問弁護士から書類が届き、正式に辞任に至ったとされています。わずか1年での顧問辞任に対し、X(旧Twitter)上では「日本仏教協会の顧問が『お前イジメられっ子やろ?』はさすがに…」「ふさわしくない」といった厳しい指摘が相次ぎました。

物議を醸した「いじめられっ子発言」の詳細

せいじ氏の僧侶としての適性を問われる原因となったのは、7月18日に公開された埼玉県戸田市議会議員の河合ゆうすけ氏との対談です。この対談は「外国人問題」をテーマとし、多くのクルド人が居住する川口市に隣接する戸田市で移民問題に取り組む河合氏がゲストとして招かれました。

対談は開始から5分も経たないうちに口論へと発展し、両者が声を荒らげる事態となりました。そして対談終盤、せいじ氏は河合氏に対し「お前、いじめられっ子やったやろ? お前、いじめられっ子出身やな? あははは」と、笑いながら言い放ちました。この発言は、河合氏を見下していると多くの視聴者に受け取られ、大炎上を引き起こしました。一部では日本仏教協会の顧問辞任がこの騒動と関連しているのではないかとの声も上がりましたが、せいじ氏が辞任の意向を伝えたのは対談の約2カ月前であるため、直接的な関係はないと見られています。

千原せいじ氏と戸田市議・河合ゆうすけ氏の対談、問題発言の背景千原せいじ氏と戸田市議・河合ゆうすけ氏の対談、問題発言の背景

お笑い芸人から僧侶へ転身した背景

そもそも、お笑い芸人として広く知られる千原せいじ氏がなぜ僧侶の道を選んだのでしょうか。彼は2024年5月、自身のYouTubeチャンネルで、動物専門の供養を行う天台宗の僧侶になったことを明かしました。その理由として、ペットを亡くした友人が「ペットと一緒の墓に入りたい」と希望するも親族に反対され、その経験から動物にかかわる僧侶に強い興味を持ったことを挙げています。知人を通じて僧侶の道に進んだと語っており、その動機は純粋なものであったことが伺えます。

千原せいじが描いた「無人島ペット霊園」の壮大な夢

動物専門の僧侶として、せいじ氏は壮大な計画を胸に抱いていました。2024年10月、YouTubeチャンネル『新R25チャンネル』に出演した際、投資に関する話題の中で「投資でかなえたい目標」を問われ、彼はその夢を語りました。それは、1000万円を元手に1億5000万円に増やし、無人島を購入してペット専門の霊園を建設するというものでした。

当時、この夢は多くの人々に感動を与え、千原せいじ氏の新たな一面として肯定的に受け止められました。しかし、「いじめられっ子発言」が物議を醸したことで、彼が僧侶として活動する上での適性自体が疑われる事態となりました。この騒動は、彼の壮大な夢の実現はもちろん、今後の僧侶としての活動全般にわたって、世間から厳しい目が向けられる要因となるでしょう。

千原せいじが日本仏教協会顧問を辞任、その発言が物議を醸す千原せいじが日本仏教協会顧問を辞任、その発言が物議を醸す

不用意な発言一つが、個人のキャリア、さらには長年の夢にまで大きな影響を及ぼす現代社会の側面が浮き彫りになった事例と言えます。

参考文献

  • Smart FLASH (2024年7月24日). 千原せいじが日本仏教協会顧問を辞任、僧侶としての「無人島ペット霊園」の夢が消滅へ. Yahoo!ニュース