玉木雄一郎氏、自民党の2万円給付公約を痛烈批判 – 参院選直前発表は「票欲しさのバラまき」

国民民主党の玉木雄一郎代表(55)が、自民党が参院選(20日投開票)の公約に掲げた現金2万円給付について、その発表タイミングを痛烈に批判しました。14日に配信されたTBS NEWS DIG公式YouTube動画のインタビューに応じたもので、物価高騰に苦しむ国民生活への影響と、政府の経済対策のあり方について自身の見解を述べています。

このインタビューは、同局の参院選特番「選挙の日2025」でスペシャルキャスターを務める「爆笑問題」太田光氏との対談形式で、6月27日に収録されました。

物価高騰対策としての現金給付への疑問

食料品価格の高騰が続く現状について問われた玉木氏は、「コメの値段(出費)が年間2万円増えていて大変だと言うが、手取りが10万円増えていればカバーできる」と主張し、現金給付だけでは根本的な解決にならないとの考えを示しました。その上で、年収103万円の壁のさらなる引き上げを通じて、国民全体の所得を増やす政策への意欲を強調しました。

国民民主党の玉木雄一郎代表がインタビューで政府の経済政策を批判する様子国民民主党の玉木雄一郎代表がインタビューで政府の経済政策を批判する様子

太田氏が「石破茂首相も同じようなことを言っている」と水を向けると、玉木氏は「ただ、所得を上げる政策が自民党にはない」と指摘。自民・公明の与党両党が2万円の現金給付を公約に掲げ、「バラまき」と批判されていることに対して、「政策がないから2万円をバラまいているだけ。1回2万円バラまいても、日本の経済は良くならない」と厳しく断じました。

物価高騰で生じる「インフレ増税」と税収の還元論

玉木氏は、物価高騰と同時に「インフレ増税」が発生している現状を詳細に説明しました。例えば、「1000円のものが物価高騰で2000円になったとする。消費税率は10%で変わらなくても、1000円の時は消費税収が100円、2000円になったら200円になる」と解説。これにより、国民生活が困窮する一方で、政府は消費税の増収という形で恩恵を受けていると指摘しました。

この状況を受け、玉木氏は「バンバカバンバカ、国にはお金が入ってきている。国民の(所得)増加率以上に、国の懐の豊かさの増加率が高いので、その差額は(国民に)お返ししたらどうか」と、税収の上振れ分を国民に還元するべきだとの持論を展開しました。

選挙直前発表への強い不快感と政治的意図

特に玉木氏が不快感を示したのは、自民・公明両党が2万円給付を公約として発表したタイミングです。玉木氏自身が党首討論で同様の税収還元を訴えたわずか2日後にこの発表があったと述べ、「選挙直前になって、上振れ分をまるで自分の金のように『2万円、配るぞ』って。(それは)自民党の金でも公明党の金でもない」と、票欲しさの「バラまき」と取られかねない発表を強く皮肉りました。

さらに、「私、党首討論は命をかけてやっている」と、真剣な議論の場での発言が軽視されたことへの不満を表明。「(石破氏が)『税収の上振れ分を返せる余裕はない』と言った2日後に、選挙目的で2万円をまくとか、やめてほしい」と呆れた様子で語り、与党の選挙戦略に対する強い批判を示しました。

結論

国民民主党の玉木雄一郎代表は、自民党が参院選の公約に掲げた現金2万円給付について、その内容と発表タイミングの両面から厳しく批判しました。物価高騰が続く中で国民生活を支えるには、一時的な現金給付ではなく、所得全体の底上げや、インフレによる税収増を国民に還元するなどの抜本的な経済対策が必要であるとの認識を示しています。参院選を前に、各党の経済政策に対する議論はさらに深まることが予想されます。


出典:

  • TBS NEWS DIG公式YouTube動画インタビュー
  • Yahoo!ニュース (2025年7月14日配信記事より)