中居正広、引退半年もフジテレビと泥沼化する法的紛争──第三者委報告めぐり事態悪化

今年1月に電撃引退を発表した元タレントの中居正広氏(52)と、元フジテレビの女性アナウンサー(Aさん)とのトラブルは、半年経った今もフジテレビとの間で泥沼化の様相を呈しています。問題の核心は、第三者委員会の調査報告書の内容を巡る双方の主張の対立にあります。

第三者委員会による「性暴力」認定と中居氏側の反論

今年3月31日、フジテレビと親会社のフジ・メディア・ホールディングスが設置した第三者委員会は、中居氏とAさんの間で’23年6月2日に発生したトラブルを、WHOの定義に基づき「業務の延長線上における性暴力だった」と認定する調査報告書を公表しました。

これに対し、それまで沈黙を守ってきた中居氏側は5月に入ってから反転攻勢の構えを見せています。中居氏の弁護団は、彼が約6時間にわたって同委員会のヒアリングに応じたものの、その発言要旨が報告書に適切に反映されなかったと強く反論しました。さらに、弁護団が独自に中居氏に詳細な聞き取りを行った結果、「性暴力」という日本語から一般的に想起されるような暴力的または強制的な性的行為は確認されなかったとも主張し、委員会への反論を繰り返し行っています。

報告書データ「A&S」略称問題の波紋

第三者委員会は6月3日、中居氏側に対して被害者に二次被害を与える危険性があるとして「交渉打ち切り」を宣言しました。しかし、中居氏側に諦める素振りは見えません。

中居氏側は7月5日、同委員会に対し、調査報告書のデータファイルのタグに「A&S」の略称が残っていたことを指摘しました。本件調査に直接関与しないとされる「渥美坂井法律事務所」に情報が開示・共有されていた疑いがあるとして、同委員会に詳細な説明を要求したのです。

これを受けて同委員会は7日、「調査報告書のドラフト作業を行う際に、第三者委員会のメンバーが以前に同法律事務所と協働した際に使用したWordファイルの作成者欄に『A&S』の名称が残ってしまい、これが調査報告書(公開版)のPDFファイルを作成した際にも残ってしまった」と説明し、「渥美坂井法律事務所」の関与を真っ向から否定しました。

しかし、中居氏側は14日に文書を公表し、「第三者委員会が他案件のファイルを無断で流用し、守秘義務情報流出につながる重大な問題行為」と強く非難しました。

和解遠のく現状と中居氏への影響

解決の兆しが見えない両者の“小競り合い”は続いています。とはいえ、依然として中居氏の状況は厳しいままだと見られます。中居さんにはフジテレビから損害賠償を請求される可能性が出てきていることもあり、焦りや苛立ちもあるのでしょう。ですが、重箱の隅をつつくような戦法は周囲を困惑させているようで、フジテレビの幹部社員からは「もういい加減にしてほしい」との声も聞こえてきます。

トラブル長期化で憔悴した様子の元タレント中居正広氏トラブル長期化で憔悴した様子の元タレント中居正広氏

また、中居氏側は反論の中でAさんとの“親密ぶり”をアピールしていましたが、Aさん自身は週刊誌の取材に「私が聞いていた内容とは違う」と困惑した胸中を吐露していました。さらにAさんは『週刊文春』のインタビューで、中居さんに対して「父親と同世代の方に恋愛感情など1ミリもない」と明言。中居氏が反論を重ねるたびに余波が広がり、状況は好転するどころか悪化しているように見えます。(スポーツ紙記者談)

両者の主張が平行線を辿り、中居氏とフジテレビ間の問題解決は困難を極めています。第三者委の報告書を巡る対立に加え、Aさんの明確な否定発言も相まって、中居氏の立場は一層厳しさを増しています。この長期化する紛争は、関係者のみならず社会全体に影響を与え続けており、今後の展開が注目されます。