韓国 安東の高校で試験問題流出、成績操作の裏に不正

韓国慶尚北道安東市で発覚した高校の試験問題流出事件は、教育界に衝撃を与えています。容疑者である保護者の娘が、盗まれた試験問題を利用し、入学以来2年半にわたり全校1位を維持していたことが判明しました。この不正行為は、教育の公平性と信頼性を揺るがす深刻な事態として注目を集めています。

韓国の高校で発覚した試験問題流出事件を描いたイラスト。不正行為に関与した教員や保護者、生徒の複雑な関係性と、試験の公平性が損なわれた状況を象徴している。韓国の高校で発覚した試験問題流出事件を描いたイラスト。不正行為に関与した教員や保護者、生徒の複雑な関係性と、試験の公平性が損なわれた状況を象徴している。

事件の容疑者と逮捕の経緯

慶北安東警察署は23日、娘の元担任教諭と共に高校の事務室へ侵入し、中間・期末テストの試験問題を常習的に盗んだ疑い(特殊窃盗、夜間住居侵入窃盗、贈賄など)で40代の保護者を身柄拘束し、検察に送致しました。保護者の娘(10代)も、不正に得た問題で試験に臨んだとして偽計業務妨害の疑いで書類送検されています。さらに、犯行を手助けした30代の学校行政室長も、夜間住居侵入幇助や共同建造物侵入幇助、偽計業務妨害幇助、証拠隠滅などの疑いで逮捕・送検されました。

教師と保護者の共謀、不正な金銭授受

この事件には、元臨時教諭(30代)も関与しており、18日に逮捕・送検されています。この教諭は、共犯である保護者の娘が中学1年生だった2020年初めから、現職教員としては違法な個人家庭教師を行っていました。警察によると、逮捕された保護者と臨時教諭は、2023年から最近まで計10回にわたり、娘が在籍する安東市内の高校に無断で侵入し、中間・期末テストの試験問題を盗み出していたとされます。保護者はこの不正行為に対し、教諭に少なくとも2000万ウォン(約210万円)以上を支払っていたことが判明しています。

不正発覚と教育界への警鐘

一連の不正行為は、期末テスト期間中であった7月4日、施設の警備システムが作動したことで露見しました。逮捕された学校行政室長も2024年初めからこの犯行を認識していたと警察は見ています。この事件は、公正であるべき教育現場で保護者、教員、職員が共謀した前代未聞の不正であり、韓国社会における過度な学歴競争が引き起こす深刻な問題を示唆しています。教育制度の信頼回復に向け、再発防止策と倫理意識の向上が急務とされています。

今回の安東高校における試験問題流出事件は、教育の根幹を揺るがす重大な事態です。関係者の広範な共謀が明らかになり、公正な学習環境の確保が強く求められています。この事件を教訓として、韓国の教育界全体で倫理規範の徹底と、健全な競争環境の構築に向けた抜本的な改革が期待されます。

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