立憲民主党の米山隆一衆院議員は最近、自身のX(旧ツイッター)を更新し、ロックミュージシャンで先の参院選大阪選挙区(改選数4)に無所属で立候補し落選した世良公則氏(69)による外国人受け入れに関する投稿に言及しました。このやり取りは、日本の労働力不足と外国人労働者の役割、さらには国内の税制問題に焦点を当てた重要な議論を浮き彫りにしています。
立憲民主党の米山隆一衆院議員。外国人労働者の受け入れ問題について発言し、日本の労働力不足の現状を指摘する。
世良公則氏の外国人労働者受け入れに関する疑問提起
世良氏は、「外国人受け入れ拡大、全国知事会が国に要請 過剰規制に地方は危機感」と題された記事を引用し、今回の参院選における多くの政党の「外国人受け入れ慎重に」という主張と、知事会の要請が真逆であることを指摘しました。彼はこの状況に対し、「どうなっているのか」と疑問を呈しています。
さらに世良氏は、労働力を外国人に頼り、混乱に陥った欧米諸国が現在規制強化に踏み切っている現状と対比させ、日本がその真逆を進んでいると指摘。労働力が不足している分野で外国人労働者の必要性は認めつつも、「日本人は年収の壁(税の問題)で働きたくても働けない人が100万人以上いる」と主張し、まず日本人が躊躇なく働けるよう課税基準を改正すべきとの考えを示しました。
米山隆一議員からの現実的視点:地方産業と都市サービスを支える外国人労働者
米山議員は、世良氏の投稿に対し具体的な反論を展開しました。彼は、「人口減少が著しい地方の現場では、外国人労働者が居なければ地域の産業を守れない」という厳しい現実を指摘。これは、単なる政策論ではなく、地方経済の維持に直結する切実な問題であることを示唆しています。
さらに米山議員は、地方に限らず、東京や大阪のような大都市圏の状況にも言及。「コンビニ、居酒屋を筆頭に、都会のサービス業も外国人労働者が居なければ維持できない」と述べ、都市部の日常生活を支える上で外国人労働者がいかに不可欠であるかを強調しました。これは、外国人労働者の存在が、日本の経済と社会基盤を多角的に支えている現実を示唆するものです。
「年収の壁」撤廃論への米山議員の反論と雇用効果
一般ユーザーから「まずは扶養内で働き控えてる人たちが働けるように年収の壁を撤廃した方がいいんじゃないですか??外国人を入れる前にできることがたくさんありますよ」という意見が寄せられると、米山議員はこれにも明確に反論しました。彼は「そう言う人はもうとっくに働いています」と述べ、既に扶養控除内で働ける人々は労働市場に参加している現状を示しました。
加えて、米山議員は「基礎控除引上げで雇用が増える効果は、最早ほぼないと推定されています」と付け加え、税制改正による雇用創出効果が限定的であるとの専門的な見解を示しました。この発言は、単に「年収の壁」を問題視するだけでなく、その撤廃が現実の雇用状況に与える影響についても深く洞察していることを示しています。
結論
米山隆一議員と世良公則氏の間の今回の議論は、日本の労働力不足問題に対する多角的な視点を提供しています。地方の産業や都市のサービス業が外国人労働者なしには成り立たないという現場の現実と、国内の雇用環境や税制改革の可能性というマクロな視点が交錯する中で、外国人労働者政策の複雑さとその重要性が改めて浮き彫りになりました。今後の日本の経済と社会の持続可能性を考える上で、これらの議論は重要な示唆を与え続けるでしょう。