中国人俳優で歌手のチャン・イヤン（張芸洋）氏（当時34歳）が、未成年だった恋人を殺害した容疑で死刑判決を受け、2024年に刑が執行されていたとする情報が、現地時間23日にSNSで拡散され、中国社会全体に大きな衝撃を与えています。この報道は、中国芸能界における初の死刑執行事例とされ、その波紋は広がる一方です。
死刑執行の詳細と事件の背景
SNS上で拡散されたのは、「中国山西省瀋陽市中級人民裁判所刑執行公告」と題された書面です。これには、チャン氏が15歳年下で当時16歳だった恋人を殺害した容疑で、2024年12月18日に銃殺刑が執行されたと明記されていました。この発表は、中国の芸能人が死刑を執行された初めての事例であるため、各方面で大きな関心を集めています。
残忍な犯行と証拠隠滅
事件は2022年2月に発生しました。当時31歳だったチャン氏は、恋人から別れを告げられたことに逆上。自身の誕生日を口実に、彼女を山西省地域の森に呼び出しました。事前に準備していた凶器で、彼女の左頸動脈、頸静脈、器官、食道を刺し、被害者は大量出血によりその場で死亡しました。殺害後、チャン氏は遺体を貯水池に遺棄し、携帯電話や血の付いた服を捨てるなど、証拠隠滅を図りました。翌日、ホテルで殺害に使った凶器を用いて自殺を試みましたが、従業員に発見され病院に搬送。そこで警察に逮捕されました。
未成年恋人殺害で死刑判決を受けた中国人俳優チャン・イヤン氏の肖像写真
司法判断と社会への影響
裁判官は、チャン氏が犯罪を事前に計画し、極めて残忍な方法で未成年である被害者を殺害したとして、死刑を宣告しました。その後の控訴審、そして最高裁においても、この原審判決は維持されました。この衝撃的な殺人事件と死刑執行を機に、中国国内では芸能界の倫理、未成年者保護の強化、さらには死刑制度の是非について、活発な議論が交わされており、社会全体を揺るがす問題へと発展しています。
まとめ
中国人俳優チャン・イヤン氏の死刑執行というニュースは、単なる犯罪報道を超え、中国社会における司法、倫理、そしてエンターテインメント業界のあり方に対し、深い問いを投げかけています。未成年者保護の重要性と、極刑がもたらす影響について、今後も議論が続くことでしょう。
