【ワシントン=大内清】少女らに対する性的目的での人身取引などの罪に問われた米富豪ジェフリー・エプスタイン元被告(勾留中の2019年に自殺)を巡り、米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)は25日、03年に元被告へ誕生日祝いのメッセージを送った著名人らの中にクリントン元大統領が含まれると伝えた。
この問題で同紙は17日、トランプ大統領が元被告に性的な絵を含む誕生日メッセージを送っていたと報道。トランプ氏は、名誉を傷つけられたとして、同紙を保有するニューズ・コーポレーションのルパート・マードック名誉会長らに少なくとも100億ドル(約1兆4800億円)の損害賠償を求める訴えを起こしている。
同紙によると、メッセージは元被告の恋人で人身取引の協力者だったギレーヌ・マクスウェル受刑者(22年に禁錮20年判決)が友人らから集めたもので、アルバムの形で元被告に贈られた。トランプ氏やクリントン氏のほか、著名ビジネスマンやデザイナーら数十人がメッセージを寄せていた。
元被告は富豪仲間や要人らに未成年者を含む女性を斡旋(あっせん)したとされ、トランプ氏の支持層などの間で、口封じで殺害されたとの憶測や斡旋相手の名を記した「顧客リスト」の存在が取り沙汰されてきた。トランプ氏が昨年の大統領選でリストの公開を約束したにもかかわらず、司法省などが今月上旬にリストの存在を否定し、支持層からは不満が噴出している。