任天堂の新型ゲーム機「ニンテンドースイッチ2」が2025年6月5日に発売されて以来、その圧倒的な人気により、公式ストアや各取扱店では抽選販売が主流となり、多くの購入希望者が入手困難な状況に直面してきました。ゲームクリエイターや業界関係者、有名人ですら抽選に落選する報告がSNS上で相次ぎ、その品薄ぶりは社会現象と化しています。しかし、この入手難に変化の兆しが見え始めています。以前のような完全な抽選販売から、ゲリラ的な先着販売や、特定の条件付き販売へとシフトする店舗が現れ、筆者自身もその変化の恩恵を受けることができました。
ゲオの新たな販売方式と「購入難」の現実
全国に約1,000店舗を展開するメディアショップ「ゲオ」は、7月中旬にニンテンドースイッチ2の販売方式を大きく変更しました。これまでの抽選販売を取りやめ、過去のゲオでの抽選に申し込み、落選したユーザーに対してのみ「購入権」を発行。このクーポンを所持するユーザー限定の先着販売へと切り替えたのです。これは、これまで希望者に均等に降りかかっていた入手難を、少なくともゲオの過去の抽選参加者という特定層に限定する試みと言えます。
しかし、この変更が直ちに「いつでも気軽にスイッチ2が買える」という状況を生んだわけではありません。ゲオがクーポン発行後に行った7月19日の先着販売は初回のみで、以降の入荷は「未定」とされ、クーポンの有効期限が迫る中、入荷の気配はなかなか訪れませんでした。これは需要と供給のアンバランスが依然として続いている現実を示しており、条件付き販売が増えたとはいえ、油断できない状況が続いています。
筆者の挑戦:数多の落選、そしてクーポンでの再挑戦
筆者もまた、ニンテンドースイッチ2の抽選販売に何度も挑み、その落選回数は二桁に達していました。もちろん、ゲオの抽選販売にも参加しましたが、全て落選。そのため、今回のゲオからのクーポン発行の条件を満たし、限定的な先着販売に一縷の望みをかけました。
販売予告があった7月19日は仕事の都合で店舗へ向かうことができませんでした。それ以降、入荷の情報を得るべく、動ける日には可能な限り近隣のゲオ店舗に足を運びました。午前中に確認に行ったり、夕食の買い物帰りに立ち寄ったりと、こまめに通い続けましたが、入荷に出くわすことはありません。SNSの「X」(旧Twitter)で検索をかけても、筆者と同じく入荷情報を見つけられない、または「完売」の報告ばかりが目につきました。クーポン利用期間が7月27日までと迫る中、7月25日にも店舗を覗きましたが、やはり入口には「ご好評につき完売しました」の張り紙が掲げられているばかりでした。
クーポン期限迫る!最後の希望を胸に
クーポン有効期間の最終盤、2度目の週末であり、残り期間がわずか2日となった7月26日の朝。仕事に取り組む傍ら、「今日も空振りだろうか」という諦めと、「もしかしたら」という微かな期待が入り混じりながら、Xでの情報収集を続けました。しばらくはめぼしい報告もなく、「入荷していない」「告知がない」といった投稿ばかりでしたが、各店舗が開店してからしばらく経つと、状況に変化が見え始めました。「ちょうど棚に並んでいた」「普通に買えた」といった購入報告が一部のユーザーから出てきたのです。開店時間中に入荷があったのか、地域差があるのかは不明ながら、一部店舗での販売の可能性が浮上しました。
近隣店舗に入荷があるかは全くの不明でしたが、断片的な情報から希望を見出し、午前11時に腰を上げてゲオへ向かうことを決意しました。
遂に!念願のニンテンドースイッチ2を入手
店舗に到着すると、開店から時間が経っているため、人だかりや行列はありませんでした。「どうせ今回も空振りだろう」と自分に言い聞かせつつ入口に近づくと、前日まで毎回見かけた「ご好評につき完売しました」の張り紙が、そこにはありません。落選続きで自分の運には全く自信が持てない筆者ですが、それでも期待が胸に膨らみます。リアルに心臓の鼓動を感じながら、売り場へと急ぎました。
陳列棚の前にたどり着くと、そこには紛れもなくニンテンドースイッチ2の購入用サンプルが置かれていました!どこにも「売り切れ」や「入荷未定」の文字は見当たりません。
ニンテンドースイッチ2のパッケージが店舗の陳列棚に並べられている様子。品薄状態が続く中で、ついに店頭に現れた新型ゲーム機の姿。
半信半疑のままサンプルをレジに持っていくと、店員さんから「クーポンをご提示ください」との言葉が。この瞬間、ようやく念願のニンテンドースイッチ2が手に入ると確信しました。喜びと、これまでの緊張から解放された安堵で震えつつ、購入手続きを済ませました。
帰り際に陳列棚を覗くと、多くの人が眺めてはいるものの、実際に購入に踏み切る人はほとんどいません。中には家族連れで「クーポンがないから買えない」と話している声も聞こえてきました。もし今回の販売方式がクーポン制でなければ、先に店を訪れた人たちが購入してしまい、筆者にチャンスは巡ってこなかったかもしれません。抽選販売の運には恵まれませんでしたが、落選によって得られたクーポンを無事活用でき、これでようやくスイッチ2探しに奔走する日々から解放されたのです。
クーポンをお持ちの方へ:諦めるのはまだ早い
今回のニンテンドースイッチ2の販売は、大々的な告知があったわけではなく、筆者もXの反応を頼りに、半ば賭けのような気持ちで店舗に足を運びました。そのため、全ての店舗で確実に入荷があるかは不明であり、地域や入荷時間帯によって差がある可能性は十分に考えられます。
しかし、帰宅後に改めてXを確認したところ、ゲオ店舗における購入報告や販売確認の声はさらに増えていました。すでに売り切れてしまった店舗もあるでしょうが、かなり広範囲のゲオ店舗でニンテンドースイッチ2の入荷・販売が行われていることが伺えます。クーポン所持者限定の先着販売形式であるため、まだ販売中の可能性は十分にあります。もしゲオのスイッチ2抽選販売に落選し、クーポンをお持ちの方であれば、一度お近くのゲオ店舗に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
参考文献: