トランプ氏、オバマ政権の「反逆的陰謀」を徹底追及:機密解除文書が波紋

2016年の米国大統領選挙を巡るロシア共謀疑惑について、トランプ前大統領はオバマ政権による「陰謀」と主張し、関係者の責任追及を強化。国家情報長官が証拠文書を機密解除したことで、政治的対立は新局面を迎えた。

情報機関トップによる異例の「クーデター未遂」主張

7月23日、ホワイトハウスは、バラク・オバマ元大統領ら旧政権高官がトランプ大統領の「転覆を企む反逆的陰謀」に関与したとの主張を強化した。トランプ氏が指名したトゥルシー・ギャバード国家情報長官は、現職情報機関トップとして異例にもホワイトハウスで会見し、オバマ元政権関係者の刑事捜査を公に要求。

長官は、オバマ政権による「長年にわたるクーデター未遂」があったと断じ、機密解除文書を司法省とFBIに送付し、オバマ氏を含む関係者の刑事責任追及を訴えた。ホワイトハウスは、選挙関連文書の機密解除と合わせ、この問題を政権の中心テーマとして再燃させる構えだ。

ホワイトハウスで機密解除された文書について語る情報機関高官。米国政治におけるオバマ政権の「陰謀」疑惑の証拠として提示された文書ホワイトハウスで機密解除された文書について語る情報機関高官。米国政治におけるオバマ政権の「陰謀」疑惑の証拠として提示された文書

トランプ大統領の「報復」の意志と法的な壁

ギャバード長官の会見は、トランプ大統領自身の強い「報復の意志」を反映している。トランプ氏は会見でオバマ氏を名指しで非難し、「そろそろ連中に報いを受けさせる時だ」と述べた。

司法省のパム・ボンディ長官は、これらの問題を徹底捜査し「正義を貫く」と表明。新たな特別捜査チームを設置し、証拠精査と法的措置の検討を進める方針だ。

しかし、オバマ氏の行為に違法性があっても、大統領職にある間の行為には2024年の連邦最高裁判決により広範な免責特権が認められる。この判決はトランプ氏自身の訴追も困難にし、オバマ氏の行為が「大統領としての責任遂行中」と裁判所が判断すれば、訴追は却下される可能性がある。今回の告発には法的な障壁がある。

トランプ政権によるオバマ元政権への「反逆的陰謀」追及は、機密解除文書と情報機関トップによる異例の刑事捜査要請で激化している。しかし、大統領免責特権という法的な壁が存在するため、司法による最終結論は不透明だ。米国の政治対立の行方が今後も注目される。

参考文献: