漫画家・倉田真由美が直面する新たな人生設計:夫との死別、50代で独りになった孤独と未来への問い

世間を驚かせたバツ3の叶井俊太郎氏との結婚から16年、漫画家・倉田真由美氏の人生に大きな転機が訪れました。夫との死別、そして残された人生をどのように独りで生きていくかという「新たな人生設計」への直面です。夫を亡くした後の日々の暮らし、心境の変化、そして未来への挑戦の日々が、彼女の新たな連載で綴られます。

倉田真由美氏が語る、夫との死別と50代での新たな人生設計への模索倉田真由美氏が語る、夫との死別と50代での新たな人生設計への模索

夫・叶井俊太郎氏との別れ:がんとの闘いと「悔いなし」の最期

2024年2月、倉田真由美氏は4歳年上の夫、叶井俊太郎氏をすい臓がんで亡くしました。夫は当時56歳という、決して充分に生きたとは言えない年齢でした。しかし、夫自身はがんが発覚した2022年当初から「俺はやりたいことは全部やってきた。思い残すことは何もない」と語り、がんの標準治療を選択することなく、それまでの日常を活動的に過ごすことを選びました。

余命は「悪ければ半年、どんなに長くても1年」と診断されていましたが、それをはるかに超える1年9カ月もの間、叶井氏は精力的に生き続けました。そして最期は、本人の強い希望通り自宅で、倉田氏に見守られながら息を引き取ったといいます。

根底から覆された人生設計:夫婦の絆と突然の孤独

夫との別れは、倉田氏の人生設計を根底から覆す出来事でした。彼女がイメージする老後の生活には、常に夫の存在がありました。夫婦喧嘩を一度もしたことがないほど相性が良く、互いに深く信頼し合っていたため、子どもたちが巣立った後も、ずっと二人で寄り添い生きるものだと信じていたからです。

しかし、その穏やかな老後の夢は叶うことなく、人生のまだ途上である50代前半で突然独りとなってしまい、倉田氏は呆然とするばかりでした。

悲しみから孤独へ:50代の「これから」を問う

夫がこの世を去った直後の数カ月間、倉田氏はただひたすら悲しみに暮れる日々を送りました。しかし、次第に夫のいない生活に慣れてくると、悲しみとはまた異なる、より深く重い孤独感に苛まれるようになったといいます。「これから、どうやって生きていこう」「夫のいない人生を、どう過ごしていこう」――。

現在、高校生である娘が成人するまではシングルマザーとしての役割が残されていますが、それも長く続く期間ではありません。目の前の仕事をこなしていくことは、彼女にとって生き甲斐であり、今後も続けていくものですが、人生がそれだけで満たされるわけではないことを痛感しています。

倉田真由美氏が今、向き合っているのは、突然の別れがもたらした喪失感、そしてその先の「独り」で歩む人生の道のりです。彼女の言葉からは、50代という人生の節目で新たな意味を見つけ、再出発しようとする深い問いと葛藤が読み取れます。


参照元:
漫画家・倉田真由美さんの新連載です(写真:Ushico/PIXTA)