女優・中山麻理さん逝去:親交者が語る「電話魔」の素顔と愛されたチャーミングな人生

日本が誇る名女優の一人、中山麻理さんが今月12日、都内の病院で77年の生涯を閉じました。昨年暮れから体調を崩し入院されていたとのこと。息子で俳優の麻聖さんは、書面を通じて「母・中山麻理が7月12日に闘病の末に永眠いたしましたことをご報告申し上げます。最期は家族に見守られながら、穏やかに旅立ちました」と、母の安らかな旅立ちを報告。葬儀はすでに近親者のみで執り行われたと伝えられています。そのクールビューティーな外見とは裏腹に、多くの人々に愛された彼女のチャーミングな素顔が、今、改めて注目されています。

チャーミングな笑顔を見せる女優・中山麻理さんチャーミングな笑顔を見せる女優・中山麻理さん

長年の親交が明かす「電話魔」の素顔と孤独

中山麻理さんと長年にわたり深い親交があったベテラン芸能記者A氏は、彼女の突然の訃報に驚きを隠せません。「今年もきちんと年賀状が届いていて、入院しているといった記述も一切なかったため、変わらず元気に過ごされているものと思っていました」と、A氏は語ります。

A氏と中山さんの関係は、彼女が東宝に在籍していた1980年頃から始まったといい、「本当に旧知の仲」と振り返ります。中山さんはイギリス系マルタ人の祖父を持つクォーターであり、その整った顔立ちとどこか近寄りがたい雰囲気から、クールなイメージを抱かれがちでした。しかし、A氏が明かす素顔は、イメージとはかけ離れたものでした。「実際はとてもおしゃべり好きで、愛らしい方なんです。当時はまだ携帯電話が普及していなかった時代で、よくご自宅の固定電話にかけてこられました。私が不在の際には私の妻と長電話をし、しまいには私どもの息子までと長電話をするようになるほど、家族ぐるみの付き合いでした」と、その気さくで親しみやすい人柄を語ります。

常に明るく元気な「電話魔」であった彼女ですが、特に元夫である俳優・三田村邦彦さんとの離婚後は、その電話が一段と多くなったといいます。「家に話し相手がいなくなり、きっと寂しさを感じていたのでしょうね」とA氏は推察。家族のような関係性へと発展したため、彼女に関する記事を執筆することはほとんどなくなったとしながらも、長年にわたり彼女を支え続けた深い絆をうかがわせるエピソードです。

予測不能な6時間インタビュー:ポケモン愛とキュートな魅力

かつて中山麻理さんへのインタビューを手がけた女性週刊誌の編集者も、彼女の忘れがたい魅力を語っています。中山さんが70歳を迎えた頃の取材だったため、現場スタッフは「大物女優」としてのオーラに緊張を強いられていました。待ち合わせのカフェに中山さんが到着した際も、その隠しきれない存在感に圧倒されたといいます。

しかし、ひとたび話が始まると、イメージは一変しました。彼女は、息子である麻聖さんと共にスマートフォンゲーム「ポケモンGO」に夢中になっていること、その麻聖さんに言われるがまま何時間も目黒川沿いを歩かされたエピソードなどを、気さくに明かしてくれたのです。これにより、現場の張り詰めた空気は一気に和らいだと語られます。さらに、手に入れたばかりだという「ポケモンウォッチ」を見せては得意げに自慢し始めるなど、無邪気で「なんともキュートな方」であったと、その編集者は振り返ります。

当初、取材時間は1時間と予定されていましたが、気づけばなんと6時間もの間、彼女は話しっぱなしだったといいます。もちろん、途中でインタビューを切り上げようと試みたものの、「まだいいわよ」「若い人と話すのが好きなの」と、一度電源を切ったICレコーダーのスイッチを自ら入れ直すほど、おしゃべりを楽しんでいたとのこと。最終的には、日が暮れてディナータイムに突入したお店側から「そろそろ…」と声がかかり、取材は強制的に終了することになったと笑いながら話しました。芸能人への6時間インタビューは、この編集者にとっても初めての経験だったそうです。

さらに、このエピソードは続きます。長時間の取材を終え、原稿の最終確認のため、たった一言の返事が欲しくて電話したところ、そこからさらに2時間近くも楽しい雑談が続いたといいます。「とにかくお話が面白くてチャーミング。クールビューティーな外見とのギャップが最高でした」と、彼女の魅力を最大限に表現しました。

中山麻理さんが遺した、輝き続ける愛すべき人柄

女優・中山麻理さんは、そのキャリアを通じて数々の作品で存在感を示し、「クールビューティー」として知られる一方で、多くの人々が語るように、内面は非常に気さくで、おしゃべり好きで、愛らしい魅力に満ちた人物でした。長年にわたる親交を持つ人々が証言する「電話魔」としての側面や、70歳を過ぎてなお「ポケモンGO」に熱中する無邪気さ、そして初対面の取材陣をたちまち魅了する人間的温かさは、彼女の人間性の豊かさを示しています。

外見と内面の間のギャップこそが、中山麻理さんを唯一無二の存在たらしめていたのかもしれません。彼女が残した作品と共に、その飾らないチャーミングな人柄と、周囲に与えた温かい記憶は、これからも多くの人々の心の中で輝き続けることでしょう。

参考文献: