米韓貿易交渉、米国が韓国に巨額投資収益の90%を要求 – 日本との合意に続く形

米ワシントンD.C.を訪問中の韓国・具潤哲(ク・ユンチョル)副首相兼企画財政部長官は、産業通商資源部の金正官(キム・ジョングァン)長官および呂翰九(ヨ・ハング)通商交渉本部長とともに、米商務省でラトニック商務長官との通商協議に臨みました。この協議において、ラトニック米商務長官は韓国に対する新たな貿易条件を提示し、特に米国への大規模投資における利益配分について、日本との合意と同様の厳しい条件を課すことを明らかにしました。

米国、韓国からの投資収益90%要求の詳細

ラトニック米商務長官は30日、トランプ大統領が韓国との貿易交渉妥結を発表した後、自身のX(旧Twitter)への投稿で、韓国が相互関税引き下げの条件として米国に投資することになった3500億ドル(約52兆円)から発生する投資収益の90%を米国が受け取ると主張しました。長官は、「韓国はトランプ大統領が指示した通りに投資するための3500億ドルを米国に提供するものであり、その収益の90%は米国民に行く」と明言。この収益配分の割合は、米国が日本との合意でも適用した割合と同一である点が注目されます。

米韓通商協議でラトニック米商務長官(右)と協議する韓国政府関係者ら。米韓通商協議でラトニック米商務長官(右)と協議する韓国政府関係者ら。

巨額のLNG・エネルギー製品購入合意と対米投資計画

さらにラトニック長官は、韓国が今後3年半にわたり米国で液化天然ガス(LNG)とその他のエネルギー製品を1000億ドル相当購入することで合意したと明らかにしました。これは、エネルギー分野における米韓間の経済協力強化を示唆するものです。また、長官は李在明(イ・ジェミョン)大統領がトランプ大統領と会談するためにホワイトハウスを訪問する際に、韓国企業が大規模な対米投資を発表するだろうとも言及し、今後の具体的な投資計画が明らかになる可能性を示唆しました。

関税措置の現状と今後の見通し

関税に関して、ラトニック長官は、韓国に対する相互関税と自動車関税が15%に設定されると述べました。相互関税については、交渉が妥結されない場合には8月1日から25%が適用される予定であり、自動車関税は既に4月3日から25%が適用されていました。この合意により、高率の関税適用が回避される形となります。半導体と医薬品に対する関税適用については、「韓国は半導体と医薬品において他のどの国よりも悪い待遇を受けないだろう」と明言。一方で、鉄鋼、アルミニウム、銅に対する関税は「合意に含まれておらず依然として変動がない」とし、これらの品目については既存の関税措置が維持される見込みです。

今回の米韓貿易交渉の進展は、米国が主要貿易相手国に対して、自国に有利な条件を引き出すための強硬な交渉姿勢を維持していることを改めて示しました。特に、巨額の投資収益配分やエネルギー製品の購入義務は、韓国経済に大きな影響を与える可能性があります。

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