92歳農家と漁師に学ぶ!健康長寿を支える「言葉の力と実践」

「ありがとう」という感謝の言葉が野菜の成長に良い影響を与える――有機栽培に情熱を注ぐ92歳の農家の方のこの言葉は、私たちに「言葉の持つ見えない力」の奥深さを教えてくれます。私たちの心だけでなく、自然界にまで及ぶその影響は計り知れません。本記事では、“陽気なドクター”として知られる石内裕人医師が長年の経験から提唱する「5つの言葉の習慣」の中から、特に心と体に優しい、すぐに始められる実践的な教えをご紹介します。健康で充実した日々を送るためのヒントが、ここにあります。

漁師に学ぶ:小さなことにくよくよしない「一日を大切にする生き方」

健康で長生きする秘訣は、日々の暮らしの中にさりげなく隠されています。私が長年、漁師や農家の方々と接する中で強く感じたのは、彼らが自然と調和し、一日一日を大切に生きる姿勢が、その驚くべき長寿と健康の源になっているということです。特に海や田畑で生活する方々には、80歳、90歳を超えてもなお、現役で元気に活躍されている方が少なくありません。

漁師の皆さんは、毎日荒れることもある海に出て魚を獲ります。大漁の日には心から喜び、不漁の日には落ち込むこともあります。時には命がけで嵐の海から陸に戻ることもあり、その生活は常に自然の厳しさと隣り合わせです。しかし、そうした厳しい環境の中で培われたのが、「小さなことにくよくよせず、今日を精一杯生きる」という揺るぎない精神です。実際に、80歳を超えても現役で船に乗るベテラン漁師は、「健康診断は受けるけれど、結局は毎日を大切に生きることが一番の健康法だよ」と語ります。この「一日を全力で生きる」というシンプルな生き方こそが、彼らの心と体の元気を保つ何よりの秘訣なのかもしれません。

手のひらに乗った新芽。健康と幸福を育む象徴として、自然の力とポジティブな言葉の習慣の重要性を表しています。手のひらに乗った新芽。健康と幸福を育む象徴として、自然の力とポジティブな言葉の習慣の重要性を表しています。

92歳の農家から学ぶ:自然と共生し、前向きに努力する姿勢

農家の方々もまた、自然との深い結びつきの中で生きています。ある92歳の農家の方は、長年にわたり有機栽培にこだわり、土の本来持つ力を信じて野菜や米を育てています。農薬を一切使わず、栄養豊かな土壌で育った彼の野菜は、害虫にも負けずに大きく力強く成長するといいます。

彼は「どんな困難があっても、まだまだ素晴らしい野菜をたくさん作るぞ」と、常に意欲に満ち溢れています。農業は、種まきから収穫まで緻密な計画を立て、毎日作物の様子を観察し、水やりや肥料の世話を欠かさない非常に骨の折れる仕事です。時には猛暑や台風といった自然の試練にも立ち向かわなければなりません。丹精込めて育てた作物が、台風一つで全滅してしまうような悲劇に見舞われることもあります。それでも彼らは、「自然とはそういうものだ」と深く理解しており、だからこそ、無事に収穫できた年には、心からの感謝を捧げます。この「自然と共生し、どんな状況でも前向きに努力を続ける」という姿勢こそが、彼らの健康長寿の根幹をなしているのでしょう。

結びに:日々の生活に「見えない力」を取り入れる

漁師や農家の方々の生き方から学べるのは、単なる体の健康維持に留まらない、心の豊かさと幸福に繋がる普遍的な知恵です。小さなことに一喜一憂せず、今この瞬間を大切に生きること。そして、自然の恵みに感謝し、どんな困難にも前向きな姿勢で立ち向かうこと。これらの習慣は、石内裕人医師が提唱する「言葉の習慣」が示すように、私たちの内面だけでなく、周囲の環境にまで良い影響を及ぼす「見えない力」を秘めています。今日からこれらの教えを日々の生活に取り入れ、より健やかで満たされた人生を築いてみてはいかがでしょうか。

参考文献

石内裕人著『病が逃げ出す「見えない力」』より抜粋編集