Mrs. GREEN APPLE騒音トラブルと「ミセスハラスメント」現象の深層

人気バンドMrs. GREEN APPLE(以下、ミセス)が、7月28日に公式サイトで野外ライブにおける「騒音トラブル」に対する謝罪文を掲載し、大きな波紋を呼んでいます。横浜の山下ふ頭で開催されたライブの重低音が、遠く離れた川崎市や東京・蒲田にまで届いたとの報告が相次ぎ、X(旧Twitter)では「ミセスの騒音」がトレンド入りする事態となりました。

横浜ライブでの騒音問題と公式の釈明

7月26日、27日の二日間にわたり、横浜山下ふ頭の特設会場で行われたミセスの大規模野外ライブには、2日間で10万人もの観客が動員されました。公式サイトの謝罪文によれば、ライブは「近隣の皆様に事前にご案内の上、法令等にて定める音量基準に準拠して開催」されたものの、「当日の風向きにより想定以上に広範囲に音が拡散し、周辺にお住まいの皆様の騒音としてご迷惑をおかけする結果となってしまいました」と説明。さらに、「今回の事態を真摯に受け止め検証を行い、再発防止に努めてまいります」と述べています。

芸能記者の分析では、山下ふ頭の会場周辺は構造物が少なく、音が広範囲に拡散しやすい状況だったのは確かだと指摘。また、実際に会場にいたファンのSNSでは「想像以上の爆音だった」という声も多く、必要以上に大きな音が出ていた可能性も指摘されています。

横浜山下ふ頭でのライブ騒音トラブルで謝罪したMrs. GREEN APPLE横浜山下ふ頭でのライブ騒音トラブルで謝罪したMrs. GREEN APPLE

ファンと世論の反応:賛否両論の渦

社会現象となるほどの人気を誇るミセスに対して、今回の騒音問題ではファンの間から「謝る必要ない」「ミセスは悪くない」といった擁護の声も少なくありません。しかし、それらの意見に対して「騒音被害を受けた住民の気持ちを考えていない」といった批判が相次ぎ、X上では依然として議論が収まる気配を見せていません。

浸透する「ミセスハラスメント」の実態

今回の騒音トラブルがこれほどまでに大きな注目を集めた背景には、以前からSNS上で見られた「ミセスハラスメント」という言葉の存在も深く関係していると考えられています。この言葉は、ミセスの楽曲がテレビやラジオ、店舗BGM、CMなど、あらゆる場所で過剰に流され、熱心なファンではない人々にとっては「聴きたくなくても聴かされる」状況が続いていることへの不満を表しています。

Xでは、「テレビ見ててもお店の音楽聞いてても、ミセスばっかり流れてくる」「嫌いなわけでもないし、音楽も別に全然嫌いじゃないけど、ミセスハラスメント言ってたら友達も同意見だった」といった具体的な声が多数投稿されています。特にボーカルの大森元貴さんのハイトーンボイスは特徴的で耳に残りやすいため、繰り返し聴かされることで「うんざり」と感じる人も少なくないようです。

騒音トラブル拡大の背景にある「ミセスハラスメント」

芸能記者は、ミセスが音楽番組だけでなくCMにも多数出演し、テレビをつければミセスの曲が流れる状況が続いている点を指摘。いくら人気があるとはいえ、ミセスの音楽を好まない人もいるのは事実であり、「ハラスメントと言いたくなるのも理解できる」と分析しています。今回の騒音トラブルがこれだけ大きくなったのは、この「ミセスハラスメント」という感情が少なからず影響していることは否定できません。

「大谷ハラスメント」や「鬼滅ハラスメント」といった言葉が存在するように、人気者の宿命ともいえるこの種の「ハラスメント」現象は、特定のコンテンツや人物が社会に深く浸透し、その存在が避けられなくなることで生じると考えられます。今回のミセスの騒音トラブルは、彼らの絶大な人気がもたらした光と影を象徴する出来事と言えるでしょう。