7月20日に投開票が行われた参議院選挙において、自民党と公明党の連立与党は合計47議席の獲得に留まり、衆参両院で過半数を割り込む結果となりました。通常国会終了時の会見で「非改選を含めて自公で過半数」を勝敗ラインとしていた石破茂首相に対し、今回の敗北の責任を問う声が急速に高まっています。
参議院選挙後の党首会談で握手する石破茂首相(右)と公明党の斉藤鉄夫代表。連立与党の過半数割れを受け、石破首相の責任が問われている様子。
参院選敗北の衝撃と石破首相への責任論
参議院選挙での大敗を受け、7月28日に開催された自民党の両院議員懇談会には236人の国会議員が参加し、そのうち64人が発言しました。その多くは石破首相の「辞任」を求める主張であり、党内の動揺と責任追及の動きが顕著になっています。
読売新聞が7月21日と22日に実施した緊急全国調査では、内閣支持率が前月比10ポイント減の22%にまで急落し、内閣発足以来最低を記録しました。さらに、「石破首相は辞任すべき」と回答した人は54%と過半数を占めています。望ましい政権については、「野党中心の政権に交代」が最多の47%となり、「自民党中心の政権の継続」の35%を上回るなど、国民の間に政権交代への期待が高まっていることがうかがえます。
野党警戒と衆院解散の可能性
こうした状況を受けて、野党からは早期の衆院解散を警戒する声が上がっています。国民民主党の玉木雄一郎代表は7月23日、「今後の(自民)党内政局によってはどうなるかわからない。注意深く注視しつつ、われわれとしては何が起こってもおかしくないように、衆院選挙の準備を加速したい」と記者団に述べました。
また、立憲民主党の枝野幸男最高顧問も自身のX(旧ツイッター)で「早ければ10月に総選挙が行われる可能性がある」と発信し、「10月12日投票日を想定して準備を進める」と具体的な日程にまで言及するなど、すでに衆院選モードに入りつつあります。
今秋が大政局となることは避けられない情勢ですが、前回の衆院選(2024年10月27日投開票)からまだ1年も経過していません。もし実現すれば、1953年の「バカヤロー解散」や1980年の「ハプニング解散」に次ぐ早期解散となります。しかし、問題は「自公連立政権が次の衆院選に耐えうるのか」という点にあります。石破首相の就任直後に行われた昨年10月の衆院選で、自民党は67議席を失う大敗を喫し、小選挙区での得票数は前回の2762万6157票から2086万7762票へと、約676万票も減少していました。
まとめ
参議院選挙での自公連立与党の敗北は、石破政権に大きな打撃を与え、首相の辞任を求める声や早期の衆院解散への警戒が強まるなど、日本の政局に大きな波紋を広げています。内閣支持率の急落と国民の政権交代への期待が高まる中、与党が直面する課題は山積しています。今後の政権運営、特に衆議院の動向は、日本政治の行方を大きく左右する「大政局」となることが確実視されています。