三谷幸喜氏が提唱する「物語の9割は自分探し」論:創作と読解の新視点

脚本家の三谷幸喜氏が、自身が司会を務めるTBS系「新・情報7days ニュースキャスター」に生出演し、長年創作に携わる立場から「物語のテーマ」について画期的な持論を展開しました。この発言は、読書感想文の作成に悩む学生から、物語の構造を深く理解したいと願う人々にまで、新たな視点を提供するものです。特に、あらゆる物語の核心に「自分探し」という普遍的なテーマが存在するという三谷氏の主張は、多くの注目を集めています。

三谷幸喜氏、読書感想文への新たなアドバイス

番組冒頭、安住紳一郎アナウンサーから、過去に三谷氏が提案した「読書感想文ではあらすじではなく、読んだことで自分がどう変化したかを書くべき」というアドバイスについて触れられました。三谷氏はこれに対し、「文章力がない人には書くことがない、と反論されたことがある」と明かし、今回は「あらすじの書き方」について具体的なヒントを提示する構えを見せました。

物語のあらすじをすべて書き出すのは骨が折れる作業です。そこで三谷氏は、小説の「テーマ」を把握することの重要性を説きました。テーマが明確になれば、それに沿って物語の核心部分を取捨選択し、効率的にあらすじを紡ぎ出せるというのです。そして、この「テーマの見つけ方」こそが、三谷氏が語りたかった「すごいこと」でした。

「物語の9割は『自分探し』」三谷氏の衝撃的提言

三谷幸喜氏は、「この世の中にある物語の9割は同じテーマである」と断言し、そのテーマをわずか4文字で表現できると宣言しました。フリップに示されたその言葉は「自分探し」。彼は「これ以外のテーマはないと言ってもいいぐらいです。どんな物語も最終的には自分探しなんです」と力強く述べました。

自身の物語論を語る脚本家・三谷幸喜氏自身の物語論を語る脚本家・三谷幸喜氏

三谷氏によれば、物語の主人公は常に変化し、成長していく過程で「自分とは何か」を探求しています。この「自分探し」という視点を通じて物語を捉え直すことで、その本質がより明確になると言います。具体例として、日本の国民的物語である桃太郎を挙げ、「桃から生まれて自分探しをしていくんです」と指摘。さらに、安住アナが人気漫画「鬼滅の刃」を挙げると、「(主人公の竈門)炭治郎が自分探しをしていくんですよ」と即座に肯定しました。

また、長年にわたり世界中で愛される「ルパン三世」についても、「ルパン3世だって自分探しですよ、ルパン3世の。探し求めているんです」と語り、ジャンルや時代を超えて「自分探し」が物語の根幹にあることを強調しました。

「自分探し」が物語を紐解く鍵となる

三谷幸喜氏の「物語の9割は『自分探し』」という提言は、作品の読解や分析に新たな道筋を示します。今読んでいる小説や鑑賞している映画のテーマが「自分探し」であると考えれば、そこから逆算して、主人公がどのように変化し、何を探し求めているのかを考察することができます。この視点は、物語のあらすじを簡潔にまとめる際にも、その核となる要素を迷うことなく抽出するための強力なツールとなるでしょう。

三谷氏の洞察は、クリエイターだけでなく、物語に触れるすべての人々にとって、作品をより深く理解し、その普遍的なメッセージを受け取るための重要な手がかりとなるはずです。

参考文献