斎藤兵庫県知事、万博会場で「辞めろ!」の洗礼 ― 映画舞台挨拶とパワハラ疑惑の影

兵庫県の斎藤元彦知事(47)は30日、大阪・関西万博会場内の「関西パビリオン」で開催された映画「種まく旅人~醪(もろみ)のささやき~」(篠原哲雄監督、10月10日公開)の舞台あいさつに登壇しました。主演の菊川怜さん、篠原監督も同席し、注目を集めました。

兵庫の第1次産業を応援する映画「種まく旅人」

この映画は、日本の第1次産業を応援する「種まく旅人」シリーズの最新作です。兵庫県淡路島を舞台に、淡路島で造られる日本酒と、兵庫県を代表する酒米「山田錦」に焦点を当てています。そこに関わる人々のものづくりの精神や、現場で起きている問題、葛藤がリアルに描かれ、その全編が兵庫県内でロケされました。

万博会場での予期せぬ出来事:知事への怒声

舞台あいさつに先立ち、関西パビリオンの外では記念撮影が行われました。この日は多くの来場者が詰めかけ、斎藤知事が菊川さんらよりも先に登場すると、「あの人、知ってる」「斎藤さんや」といった声が上がり、スマートフォンでの撮影が始まる中、知事は片手を振って応じました。
しかし、大屋根リングの下に集まった群衆の中から、一人の男性が「辞めろ!」と怒声を浴びせました。これに対し、斎藤知事は一瞬のけ反り、驚いた表情を見せました。

大阪・関西万博の関西パビリオン前で来場者に手を振る斎藤元彦兵庫県知事大阪・関西万博の関西パビリオン前で来場者に手を振る斎藤元彦兵庫県知事

パワハラ疑惑と県政の混乱:冷静な知事のメッセージ

パワハラ疑惑などの告発文書に端を発した斎藤知事を巡る騒動は依然として収まらず、県政の混乱は続いています。万博会場で予期せぬ“洗礼”を受けた斎藤知事でしたが、舞台あいさつではいつもの冷静な表情を見せ、映画を鑑賞した感想について言及しました。「やはり、酒造りを舞台に米作り、酒造りの営みの大切さ、大変兵庫県の代表的な産業である日本酒について取り上げていただいて感謝を申し上げます」と述べました。
また、兵庫県内の第1次産業がテーマになったことに対しては、「地方は人口が減少し、産業が厳しい中で、映画という形で取り上げていただくのは、各地の皆さんの励みになり、力になる。多くの方に見ていただきたい」と、地域の活性化への期待を込めて呼びかけました。

まとめ

パワハラ疑惑による県政の混乱が続く中、斎藤元彦兵庫県知事は大阪・関西万博の舞台で映画「種まく旅人」のプロモーションに参加しました。会場で一部から厳しい声が上がったものの、知事は冷静に兵庫県の日本酒産業や第1次産業の重要性を訴え、地域活性化への支援を呼びかけました。この出来事は、知事が直面する課題と、地域振興にかける思いを同時に浮き彫りにしました。