2025年夏のボーナス平均額と賢い活用法:手取り計算から資産形成まで

2025年6月13日、帝国データバンクが発表した「2025年夏季賞与に関する企業の動向アンケート」によると、今年の夏のボーナスの平均支給額は45万7000円でした。これは2024年と比較して1万8000円の増加であり、賃上げの流れが反映された結果と見られています。本記事では、この夏のボーナスの手取り額の計算方法、日本の平均年収の現状、そして将来を見据えたボーナスの賢い活用法について詳しく解説します。

ボーナスの手取り額はいくら?計算方法と注意点

ボーナスを受け取る際、支給された額面通りの金額がすべて手元に残るわけではありません。ボーナスからは健康保険料、介護保険料(40歳以上の場合)、厚生年金保険料、雇用保険料といった社会保険料に加え、所得税が差し引かれます。これらの控除後、実際の手取り額は額面の約8割程度になるのが一般的です。例えば、額面100万円のボーナスが支給された場合、手取りは約80万円前後となるでしょう。ただし、正確な手取り額は、個人の年収、扶養家族の有無、会社の保険料率など、さまざまな要因によって変動します。

日本の平均年収と賞与の現状

日本の賃金構造を理解する上で、平均年収とボーナスの位置づけは不可欠です。国税庁が2024年9月に発表した「令和5年分民間給与実態統計調査ー調査結果報告ー」によると、日本の平均年収はおよそ461万円です。この平均年収には、月々の給与だけでなく、ボーナスなどの賞与も含まれています。同調査では、給与総額に占める賞与の割合が21.2%とされていますが、ボーナスが占める割合や支給額は、業種や企業の規模によって大きく異なる傾向があります。

帝国データバンクの調査に基づく2025年夏季賞与の平均支給額と賃上げ動向を示す棒グラフ帝国データバンクの調査に基づく2025年夏季賞与の平均支給額と賃上げ動向を示す棒グラフ

将来を見据えたボーナスの賢い活用法3選

まとまった金額となるボーナスは、日々の生活費の補填だけでなく、将来のための資産形成に大きく貢献するチャンスです。ここでは、その賢い活用法を3つ紹介します。

1. 新NISAで非課税投資を始める

新NISA(少額投資非課税制度)は、株式や投資信託から得られる運用益が非課税となる制度です。2024年から制度が刷新され、つみたて投資枠と成長投資枠の合計で年間最大360万円、生涯非課税限度額は1800万円まで投資が可能になりました。運用益非課税、いつでも引き出し可能、少額(月100円〜)から始められる、ボーナス一括投資にも対応するメリットがあり、効率的な資産形成に役立ちます。

2. iDeCoで老後資金を準備する

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、自身で拠出した掛金を運用し、原則60歳以降に年金または一時金として受け取る「自分でつくる年金」制度です。掛金が全額所得控除され節税効果があり、運用益も非課税、受け取り時も税優遇があります。原則60歳まで資金を引き出せないという制約はありますが、長期的な資産形成と節税を重視する会社員や自営業者に適した制度です。

3. 生活防衛資金を確保する

何よりも優先すべきは、緊急時に備える「生活防衛資金」の確保です。これは、予期せぬ病気や怪我、リストラ、災害、あるいは収入が途絶えた場合に備えて、すぐに使える現金として手元に置いておくお金のことです。生活防衛資金の目安は、一般的に生活費の3ヶ月〜1年分程度(例えば、1ヶ月の生活費が20万円であれば60万〜240万円程度)とされます。この資金は、株や投資信託とは異なり、普通預金や定期預金など、すぐに引き出せる形で保管することが重要です。

まとめ

2025年夏のボーナスは前年比で増加し、家計にとって重要な機会です。本記事では、ボーナスの手取り額計算や日本の平均年収を解説し、新NISA、iDeCo、生活防衛資金といった将来に向けた賢い活用法をご紹介しました。ボーナスを単なる臨時収入として消費するのではなく、計画的に運用することで、資産形成と将来の安心を築くことができます。この機会に、ぜひ自身のライフプランに合わせた資金計画を立ててみましょう。

参考文献

  • 帝国データバンク: 「2025年夏季賞与に関する企業の動向アンケート」 (2025年6月13日発表)
  • 国税庁: 「令和5年分民間給与実態統計調査ー調査結果報告ー」 (2024年9月発表)
  • 金融庁: 「NISA特設ウェブサイト」
  • 厚生労働省: 「iDeCoの概要」