三代目 J SOUL BROTHERSのボーカル・今市隆二氏(38)が、脅迫と暴行の疑いで警視庁に書類送検されたことが大きな波紋を呼んでいます。コンプライアンス重視が叫ばれる現代において、所属アーティストの不祥事はLDHにとっても深刻な課題であり、対応に追われています。本件は4月に発生したものの、被害者であるタクシー運転手との間で示談が成立していない状況が続いており、その背景には双方の「言い分の違い」があるとみられています。
書類送検の背景とLDHの声明
LDHは今月31日午後、今市氏に関する謝罪声明を発表しました。声明によると、「本年4月上旬、本人が酒に酔った状態でタクシーに乗車した際、同乗していた友人との間で口論となり、その結果、車内外において乱暴な言動をとるという、誠に不適切かつ社会的に看過できない行動があったことが判明いたしました」と説明されています。
今市氏が書類送検された容疑は、タクシー運転手に対して「殺すぞ」などと脅し、さらに暴行を加えたというものです。しかし、LDH関係者への取材によると、今市氏自身は暴言について「口論になった同乗者に向けたものだった」と説明しているとされています。
食い違う証言:今市氏と被害者側の主張
暴行・脅迫容疑で書類送検された今市隆二氏。LDHの対応に注目が集まる
一方、被害者であるタクシー運転手の代理人弁護士は、今市氏と運転手の間に面識はなく、「行先指示や経路を誤った、今市氏の言動に反論や反抗した、今市氏を刺激する言動を行った、今市氏と口論になった、今市氏から接客態度を指摘されたという事実は一切なく、今市氏から一方的に行為を受けました」と主張しています。
事件発生から3か月以上が経過しても、今市氏とタクシー運転手との間で示談が成立していない(タクシー会社とは示談済み)主な理由が、この双方の言い分の食い違いにあるとみられています。事実関係の詳細については、今後、捜査機関によるドライブレコーダーの分析や第三者からの証言を通じて、より明確になることが期待されます。LDHの声明でも、「本人が酒に酔った状態でタクシーに乗車した」「車内外において乱暴な言動をとるという、誠に不適切かつ社会的に看過できない行動があったことが判明」「第三者である乗務員様にご不安とご心痛の念を抱かせてしまい」と記されており、行為の不適切さ自体は認めています。
LDHのコンプライアンスと相次ぐ不祥事
今回の今市氏の件は4月に発生していたものの、書類送検によって公になりました。LDHは事実確認後、「直ちにコンプライアンス委員会を開催し、本人に対して報酬返上と自宅謹慎を含む厳正な処分を実施いたしました」と説明しています。
LDH代表のEXILE HIRO氏は、日頃から「誰か一人が不祥事を起こすとグループ全体に迷惑がかかり、活動にも影響する」と所属アーティストに厳しく伝えていたとされています。過去には、早い段階での教育や指導により、報道されるような不祥事が比較的少なかったLDHですが、残念ながら今回は2か月連続で所属アーティストによる問題が表面化する形となりました。6月には、DEEPのTAKA氏に関する週刊誌報道があり、LDHは本人の精神的な不調を理由に活動休止を発表していました。
今後の見通しと注目される活動復帰
このような状況の重大さを認識し、LDHは「再発防止策の徹底およびコンプライアンス意識のさらなる向上に、より一層注力してまいる所存です」と表明しています。現時点では今市氏の記者会見の予定はないとされていますが、自宅謹慎の期間は短くないとみられています。
三代目 J SOUL BROTHERSは10月4日、5日に大阪・ヤンマースタジアム長居でライブを予定しており、約2か月後に今市氏がステージに立てるのかどうかに注目が集まります。本件がグループ全体の活動にどのような影響を及ぼすのか、今後の動向が注視されます。
参照元
- 被害者側は「一方的に行為を受けて」 異なる言い分で示談に至らず (Yahoo!ニュース / ENCOUNT)