ドナルド・トランプ前大統領は、ロシアとインドの経済を「死んだ経済」と公然と酷評し、特にインドがロシアと取引していることに対する関税引き上げを改めて示唆しました。この発言は、両国との関係に緊張をもたらす可能性があり、ロシアからは激しい反発が寄せられています。
トランプ氏のSNS投稿と経済評価
トランプ氏は7月30日深夜、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」への投稿で、インドとロシアの関係について独自の視点を示しました。彼は、「インドがロシアと何をしようが構わない。一緒に死んだ経済にとどめを刺せばいい。私の知ったことではない」と述べ、両国の経済状況に対する軽蔑的な見解を表明しました。さらに、「米国はインドとほとんど取引をしていない。彼らの関税は高すぎる。世界でも最高水準だ。同様に、ロシアともほとんど取引をしていない。このままにしておこう」と付け加え、米国にとっての経済的影響は小さいとの認識を示しました。
インドへの関税と「ペナルティー」の警告
この発言に先立ち、トランプ氏は同日、インドからの輸入品に25%の関税を課す方針を発表していました。この措置は、インドがロシアから兵器やエネルギーを購入していることへの「ペナルティー」であるとも付け加えており、具体的な詳細は不明ながら、インドの外交政策が米国との貿易関係に影響を及ぼすことを示唆しています。これは、米国が自国の経済的利益と地政学的な戦略を重視する姿勢の表れと見られます。
ドナルド・トランプ氏、国際経済に対する見解を表明
ロシアからの反発:メドベージェフ氏の警告
トランプ氏の強硬な発言に対し、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領の盟友であり、現在は安全保障会議副議長を務めるドミトリー・メドベージェフ前大統領が強く反発しました。メドベージェフ氏は、トランプ氏の発言を「芝居じみた最後通告」とやゆし、「新たな最後通告はどれも脅迫であり、戦争への一歩だ」と警告しました。これは、ロシアがトランプ氏の言動を単なる政治的レトリックと見なさず、国際的な安定を脅かすものとして捉えていることを示しています。
トランプ氏によるメドベージェフ氏への猛反論
メドベージェフ氏の警告に対し、トランプ氏は7月30日深夜の投稿で、さらなる反論を展開しました。彼はメドベージェフ氏を「失敗したロシアの前大統領は、まだ自分が大統領だと思っている。言葉に気をつけろ」と激しく非難し、「彼は非常に危険な領域に足を踏み入れている!」と強い警告を発しました。この応酬は、国際政治における言葉の戦いが激化している現状を浮き彫りにしています。
結論
ドナルド・トランプ氏によるロシアとインドの経済に対する厳しい評価と、インドへの関税強化の姿勢は、国際関係に新たな波紋を広げています。特に、ロシアからの即座の反発は、関係国間の緊張の高まりを示唆しており、今後の地政学的動向に注目が集まります。
参照元
- AFPBB News. (2025年8月1日). トランプ氏、ロ印経済を「死んだ経済」と酷評 対印関税強化の構え. Yahoo!ニュース. https://news.yahoo.co.jp/articles/5e354dcf2df3b5a3cec6c2d7c02eddd43f2be0ba
- AFPBB News. (2023年9月7日). トランプ氏、インドに関税25% ロシアとの関係に対するペナルティーも. https://www.afpbb.com/articles/-/3591345