伊東市・田久保市長の「辞意撤回」に専門家も呆れ声 学歴詐称疑惑が刑事事件化へ?

学歴詐称疑惑の渦中にありながら、一度は辞職して出直し選挙に再出馬すると明言していた静岡県伊東市の田久保真紀市長が、突如として辞意を撤回した。市長は会見で、涙ながらに「伊東市の新図書館やメガソーラーの建設中止という公約を果たすため」と続投理由を述べた。この前代未聞の「手のひら返し」に対し、情報番組では弁護士の若狭勝氏らが呆れと疑問の声を上げ、事態が刑事事件に発展する可能性が指摘されている。

伊東市の田久保真紀市長の肖像。学歴詐称疑惑と辞意撤回で物議を醸している。伊東市の田久保真紀市長の肖像。学歴詐称疑惑と辞意撤回で物議を醸している。

「辞職するほど悪いことしていない」アピール?専門家の見解

これまでの田久保市長の奇矯な言動に慣れていたメディアですら、今回の辞意撤回には驚きを隠せない様子だ。弁護士の若狭勝氏は、8月1日放送の番組で「(市長は)刑事事件にしたいのだろうか」といぶかしんだ。若狭氏は、市長の辞意撤回を「自分は辞職するほど悪いことをしていないんだ」というアピールだと推察。今後、伊東市議会の動向が鍵を握るとし、9月の定例会で市長の不信任決議案が提出され、可決される公算が強いと指摘した。

さらに、市議会が百条委員会への出頭を拒否した場合、それ自体が刑事告訴の対象となりうるとの見解も示された。市長側は、証言を求められている内容が不明瞭であることを理由に百条委員会への出頭を拒否しているが、若狭氏はこれを「出頭拒否の正当な理由にはならない」と断言。「委員会で聞かれることを教えなければ出頭しないなどということを許せば、誰も出頭しなくなる」と、市長の主張の不当性を強く非難した。

百条委員会出頭拒否が問う「正当性」と長期化する捜査

ジャーナリストの岩田明子氏が「出頭拒否のペナルティーはないのか」と問うと、若狭弁護士は「あります。正当な理由なく出頭を拒否した場合、刑事告訴する制度がある」と明確に回答した。氏は、このような問題に対しては「刑事事件として粛々とやっていくことが最後の砦だ」と強調。ただし、捜査には相応の時間がかかり、「虚偽事項の公表だけでも早くて3か月、6か月、1年かかっても不思議ではない」と説明した。これはつまり、田久保市長が疑惑の渦中で「のらりくらり」と、しばらく市長の座に居座り続ける可能性を示唆している。

政治家としての資質と説明責任の欠如

市長にまでなった人物の最終学歴が卒業か除籍かという点は、今となっては二次的な問題かもしれない。しかし、最初に「卒業した」と虚偽の発言をし、その辻褄合わせのために偽造としか見えない卒業証書を提示したことが、さらなる墓穴を掘った形だ。除籍であったこと自体よりも、口から出まかせを並べ、公人としての説明責任を果たそうとしないその不誠実な言動こそが、政治家としての資質を著しく欠いていると言わざるを得ない。この一連の騒動は、ついに刑事事件へと発展しかねない雲行きとなり、その行方が注目されている。

参考文献:

  • 本記事は、メディアで報じられた田久保真紀市長の言動及び、弁護士・若狭勝氏、ジャーナリスト・岩田明子氏のコメントに基づいています。