気候変動で食料高騰 世界各地、日本のコメも 22~24年調査


【ひと目でわかる】異常気象による食料品価格高騰の例

 日本のコメや欧州のオリーブオイル、ブラジルとベトナムのコーヒー豆といった幅広い商品に影響し、インフレ深刻化や格差拡大といった社会問題にもつながっていると警鐘を鳴らした。

 分析では、過去に記録がないほどの極端な高温や干ばつ、豪雨が価格急騰の要因になったとみられる18カ国の16事例を特定。日本では24年8月の猛暑の後、9月にコメの価格が前年同月比48%上昇したケースを挙げた。

 韓国でも同じ時期に暑さが原因でキャベツが同70%も値上がりした。スペインとイタリアでは22~23年に起きた干ばつにより、オリーブオイルが欧州連合(EU)域内で24年1月に50%高となった。ブラジルの干ばつ、ベトナムの高温を受けて国際市場のコーヒー豆価格が上昇し、西アフリカのガーナとコートジボワールの熱波によりカカオ豆も高騰したという。

 分析には欧州中央銀行(ECB)なども参加した。異常気象の頻発で食料品価格の変動が激しくなると、中央銀行が物価安定の責務を果たすことがますます困難になるかもしれないと指摘。価格高騰の打撃は低所得世帯ほど大きく、買い控えにより健康状態の悪化を招く可能性があると説明した。また、食料品の高騰と社会不安の関連性に言及し、物価高は民主主義国の選挙結果を直接左右し得るとの見方も示した。

 チームを率いたバルセロナ・スーパーコンピューティング・センターのマクシミリアン・コッツ研究員は「気候変動による食料品価格上昇が社会全体にもたらす広範な影響を考慮し、行動するよう呼び掛けるものだ」と強調。影響は「今後さらに悪化していくだろう」と警告した。 



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