大学受験は、多くの10代にとって人生における最大のイベントの一つです。今日の日本において、質の高い大学に進学することは、将来の職業選択肢を広げ、希望するキャリアパスを実現する確率を高める上で極めて大きな影響力を持っています。このような時代だからこそ、「自分らしい大学進学」を成功させるための実践的なアドバイスが求められています。この度、受験と人生の本質を深く考察する書籍『17歳のときに知りたかった受験のこと、人生のこと。』が発刊されました。本記事では、この出版を記念し、著者であるびーやま氏への特別インタビューを通じて、大学受験の核心に迫ります。
大学受験の成功を目指す学生のイメージ写真
MARCHと日東駒専、その間に存在する「偏差値の壁」
受験界では長らく、MARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)と日東駒専(日本、東洋、駒澤、専修)の間には明確な「壁」が存在すると言われています。これらはいずれも名門大学群として認識されていますが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
びーやま氏によると、両者の最も分かりやすい違いは「偏差値60」という基準にあります。もちろん、個々の学部で見れば、MARCHの中でも偏差値60を下回るケースや、日東駒専で偏差値60を突破するケースも存在します。しかし、全体的な傾向として、この「偏差値60の壁」が両大学群を分ける大きな境界線となっていると指摘します。
MARCH合格の鍵は「基礎固め」にあり
では、この偏差値60の壁を突破し、MARCHレベルの難関大学に合格するためには何が必要なのでしょうか。多くの受験生が「難しい問題も解けなければならない」と考えがちですが、びーやま氏はその考え方を否定します。
「MARCHのほとんどの学部は、基礎が完璧になっていれば突破が可能です」とびーやま氏は語ります。入試問題の中には確かに難問も出題されますが、それらが解けなかったとしても、他の基礎的な問題で得点をカバーできれば十分に合格圏内に入れます。つまり、MARCHに不合格となる受験生の多くは、特定の科目や分野の基礎に穴がある場合がほとんどだということです。一見難解に見える問題も、実は基礎的な知識を応用することで解けるのがMARCH入試の特性と言えるでしょう。
難関大志望者こそ「基礎」を徹底せよ
この事実を踏まえ、MARCH志望の学生はとにかく基礎固めが最重要課題となります。びーやま氏は、早慶(早稲田、慶應義塾)といったさらに上の難関大学を目指す受験生も、同様に基礎固めから始めるべきだと強く主張します。
難関大学を目指す受験生の中には、焦って最初から難問に取り組んでしまうケースが多く見られますが、これは効率的な学習法ではありません。まずは基礎を徹底的に固めることが、MARCH合格への最も確実な道であり、さらに上のレベルを目指す上でも不可欠な「受験の鉄則」であるとびーやま氏は強調します。基礎が盤石であれば、応用問題への移行もスムーズになり、受験全体の成功確率を大きく高めることができます。
大学受験を成功させるためには、闇雲に難しい問題に挑戦するのではなく、足元の基礎をしっかりと固めるという普遍的な戦略が、何よりも重要であると言えるでしょう。
参考文献
- びーやま. 『17歳のときに知りたかった受験のこと、人生のこと。』. (言及された書籍)
- Yahoo!ニュース. 「MARCHと日東駒専のあいだに「壁」があるというのは本当なのか?受験のプロがその真実を明かす」. 2024年8月5日. https://news.yahoo.co.jp/articles/0c49089d0660a0dd346fd906e29b21610c1117c3