与党の一角を担う日本維新の会の藤田文武共同代表(44)に、自身の公設秘書が代表を務める会社への公金還流疑惑が浮上し、釈明会見での不適切な発言が波紋を広げています。疑惑の核心は、政党助成金を含む公金約2000万円が7年間にわたり秘書関連会社に支払われていた点です。この問題に対し、党の「創業者」である橋下徹氏からも厳しい批判が飛び出し、政界の耳目を集めています。
公金還流疑惑の詳細と不適切な釈明
疑惑の発端は「しんぶん赤旗日曜版」11月2日号の記事でした。記事によれば、藤田氏が公設秘書を代表とする会社に、ポスター印刷代などの名目で約2000万円を7年間で支払っていたと報じられています。この支払いの大半が政党助成金などの公金であり、「身内への還流ではないか」との疑念が持たれました。藤田氏は当初、「適法だ」と主張しましたが、疑いを招く構造であることは認め、4日の会見で「今後は発注しない」と表明しました。
さらに赤旗は第2弾として、藤田事務所に発行された17枚の領収書に収入印紙が貼られていなかったことを報道し、印紙税法違反の可能性を指摘しています。
「報道機関ではない」発言とSNS投稿が物議
世間の注目をさらに集めているのは、疑惑そのもの以上に藤田氏の一連の言動です。釈明会見では、「それは自由じゃないですか?」「何がおかしいんですか?」「それはあなたの感想であって……」といった傲慢な発言を繰り返し、批判を浴びました。
日本維新の会の吉村代表と藤田共同代表に挨拶する石破茂前首相
また、藤田氏は赤旗を「日本共産党の機関紙であり、報道機関ではない」と断じ、「今後は共産党の質問には答えない」と発言しました。さらに、赤旗記者の名刺画像をSNSに投稿するという行動に出て、赤旗側から抗議を受け削除を求められる事態に至りました。これらの行動は、政権の一翼を担う与党のトップとしての振る舞いとはかけ離れており、違和感を禁じ得ません。
橋下徹氏の参戦と「政治家としてレベルが低い」との指摘
今回の騒動には、思いがけぬ人物が参戦し、さらに議論が白熱しています。日本維新の会の「創業者」である橋下徹氏は、自身のSNSで藤田氏の言動に対し「政治家としてアウト」「赤旗記事は大金星」と発信。テレビ番組でも同様に藤田氏を批判し、古巣の現トップに厳しい見解を示しています。
政治アナリストの伊藤惇夫氏は、赤旗が自民党の裏金問題など数々のスクープを報じてきた実績を挙げ、「報道機関の役割を果たしている」と指摘。その上で、藤田氏が「逆ギレして名刺をさらすというのは、政治家としてレベルが低い」と厳しく断じています。品格に欠け、不名誉な形で脚光を浴びることになった藤田氏の今後の動向が注目されます。
藤田氏の一連の対応は、与党の幹部としてあるまじきものと広く認識されており、国民の政治不信をさらに深める結果となっています。今後、日本維新の会がこの問題にどう対処し、信頼回復に努めるのかが問われています。




