Snow Manの渡辺翔太が初の単独主演を務めた映画『事故物件ゾク 恐い間取り』が、興行面で苦戦を強いられています。一方で、同じグループの目黒蓮は俳優として数々の賞を受賞し、まさに“無双状態”を続けています。この対照的な現状は、人気アイドルグループであるSnow Man内で、活動におけるある種の「格差」が生じつつあることを浮き彫りにしています。国民的アイドルとしての重責を担うSnow Manにとって、この状況は今後の活動にどのような影響を及ぼすのでしょうか。
渡辺翔太主演『事故物件ゾク 恐い間取り』の誤算:期待値と現実のギャップ
渡辺翔太が主演する『事故物件ゾク 恐い間取り』は、2020年に亀梨和也が主演し、興行収入23億円の大ヒットを記録した『事故物件 恐い間取り』の続編として大きな注目を集めていました。ホラー映画の巨匠として知られる中田秀夫監督が引き続きメガホンを取り、主題歌にはSnow Manの楽曲「SERIOUS」が起用されるなど、作品への期待値は高かったとされています。
しかし、7月25日に公開された今作は、公開からわずか4日目で興行収入が5億円台にとどまり、苦しいスタートを切っています。SNS上では「内容があまり怖くなかった」「最寄りの映画館はガラガラだった」といった厳しい意見も散見され、当初の期待とは裏腹に、観客動員に伸び悩んでいる状況がうかがえます。
芸能プロ関係者は、この状況について「いわば“勝ちパターン”で挑んだ作品だったが、結果は想定外だった」と打ち明けます。関係者によれば、渡辺は「美容男子」としてバラエティ番組などで高い好感度を得ていますが、ホラー映画の主演としては、その爽やかなイメージと役柄のギャップが大きすぎた可能性を指摘しています。内容や演技力だけでなく、キャスティングの段階で役柄とのミスマッチがあったのではないかとの見方も出ています。ファンからは演技力への絶賛の声も寄せられているものの、Snow Manの俳優活動において、渡辺が足踏みしている印象は否めません。
Snow Man渡辺翔太とボディタッチが話題になった人気女優が笑顔で並ぶ写真。映画『事故物件ゾク 恐い間取り』主演の渡辺翔太のイメージと役柄のギャップを考える。
俳優・目黒蓮の“無双状態”:受賞歴と主演作が物語る確固たる地位
一方で、同じSnow Manのメンバーである目黒蓮は、俳優として着実にその地位を確立し、目覚ましい活躍を見せています。2022年のドラマ『silent』(フジテレビ系)で大ブレイクを果たして以降、その勢いは止まりません。
2024年にはフジテレビ系の「月9」ドラマ『海のはじまり』で初の単独主演を務め、さらに「TVerアワード2024」ドラマ大賞や「ザ テレビジョンドラマアカデミー賞」主演男優賞など、数々の賞を総なめにしています。映画界においても、映画『月の満ち欠け』では「第46回日本アカデミー賞」で助演男優賞と新人俳優賞をダブル受賞するという快挙を成し遂げました。
今年の2月に主演した映画『劇場版 トリリオンゲーム』は公開から6週間で興行収入20億円を突破するヒットを記録。さらに、2026年には浜辺美波とのW主演映画『ほどなく、お別れです』の公開も予定されています。加えて、今年の10月クールにはTBS日曜劇場への出演も内定していると報じられており、俳優としての確固たる地位を築き上げていることは明らかです。
Snow Manに浮上する「グループ内格差」と今後の課題
前出の芸能プロ関係者は、渡辺と目黒の活動戦略について、「目黒さんは演技の評価も作品選びも的確です。一方、渡辺さんはバラエティやアイドルの印象が強く、まだ俳優としての確固たるイメージを築けていません」と分析します。こうした両者の対比から、現在Snow Manに深刻な「グループ内格差」が生まれつつあることが指摘されています。
Snow Manは現在、STARTO社(旧ジャニーズ事務所)においてトップの人気を誇るアイドルグループの一つです。来春には国民的アイドルグループであった嵐が活動休止から解散を予定しており、その後を担うグループとして、彼らへの期待と重責はますます高まるばかりです。しかし、メンバーそれぞれが明確な個性を持ち、バランスの取れた活躍を見せていた嵐と比較すると、Snow Manの現状は「目黒さん一強」というアンバランスな状態にあると見られています。
渡辺翔太主演の映画『事故物件ゾク 恐い間取り』は、これから夏休みが本格化し、さらなる観客動員が見込まれる時期に入ります。映画の「後伸び」に期待がかかっており、渡辺翔太がこの状況を挽回し、グループ全体のバランスをより強固なものにできるかが注目されます。
結論
Snow Manの渡辺翔太主演映画の興行的な苦戦と、目黒蓮の俳優としての目覚ましい成功は、グループ内での活動における新たな課題を提起しています。目黒蓮が俳優として確固たる地位を築く一方で、渡辺翔太は自身の俳優イメージの確立に挑む段階にあります。STARTO社のトップアイドルとして、そして嵐の後に続く国民的アイドルグループとしての重責を担うSnow Manにとって、メンバーそれぞれの活動のバランスと多様な活躍は不可欠です。渡辺翔太の映画がこれから挽回し、グループ全体のさらなる飛躍につながることを期待します。