人気テレビシリーズ「ウォーキング・デッド」で知られる女優のケリー・マックさんが33歳で亡くなった。中枢神経系の神経膠腫との闘病生活の末、2日に故郷シンシナティで安らかに息を引き取ったと報じられている。神経膠腫は脳や脊髄に発生する腫瘍の一種で、マックさんの健康状態に大きな影響を与えていた。
2021年シカゴ国際映画祭のレッドカーペットに立つ女優ケリー・マックさん
SNSを通じた訃報と共演者からの追悼
ケリー・マックさんの訃報は、彼女のソーシャル・ネットワーキング・サイト「ケアリングブリッジ」に投稿された声明で公にされた。5日には、マックさんの公式インスタグラムにも彼女自身の写真とともに「消えることのない悲しみとともに、愛するケリーが亡くなったことをお知らせします。あの明るく情熱的な光は、私たちの誰もがいずれ向かうであろう来世へと旅立ちました」というメッセージが添えられ、多くのファンや関係者が深い悲しみに包まれた。
共演者や友人、そしてファンからは、「才能豊か」で「優しい心」の持ち主だった故人を偲ぶ声が多数寄せられている。「ウォーキング・デッド」で共演したアラナ・マスターソンさんは、「本当に素晴らしい人。最後のエピソードで彼女と共に戦えたことをとても誇りに思う」と、彼女の死を悼むコメントを綴った。
幅広い活躍を見せたキャリア
ケアリングブリッジに掲載された声明によると、ケリー・マックさん(本名ケリー・クレベノウ)は、そのキャリアを通じて35本の作品に出演し、女優として多岐にわたる役を演じてきた。また、プロデューサーとしても5作にクレジットされるなど、制作側の才能も発揮していた。
特に知られているのは、「ウォーキング・デッド」シーズン9でアディ役を演じたことや、「シカゴ・メッド」シーズン8でのペネロープ・ジェイコブス役、さらに「9-1-1:LA救命最前線」への出演などがある。ドラマだけでなく、ドクターペッパー、ロスストアーズ、デイリークイーン、チックフィレイといった有名ブランドのコマーシャルやナレーションの仕事も手掛けていた。幼少期に誕生日プレゼントとして小型のビデオカメラをもらったことがきっかけで物語を語ることへの愛着が深まり、子役時代からコマーシャルに出演していたという。
温かさと創造性、そしてその遺産
投稿された声明は、「ケリーは温かさや創造性、そして周りの人々を揺るぎなく支えることで知られていた」と、彼女の人柄を偲んでいる。また、「彼女の仕事への情熱と献身的な姿勢は、業界内外を問わず、数え切れないほどの人々にインスピレーションを与えた」と述べ、彼女が残した大きな影響と遺産を強調している。若くして亡くなったケリー・マックさんの死は、エンターテインメント業界、そして彼女を愛する全ての人々にとって大きな損失となった。