自民党内で「石破おろし」が激化する中、その行く末を野党以上に注視しているのが連立パートナーである公明党だ。永田町では、もし右派色の強い高市早苗氏が自民党総裁に就任した場合、公明党が現在の連立の枠組みを見直す、ある“仰天プラン”が取り沙汰されており、政権運営の行方に大きな注目が集まっている。
公明党の現状と「高市総裁」への懸念
政治部デスクによると、今年7月の参院選で公明党は改選14議席に対し8議席にとどまり、過去最低の結果となった。斉藤鉄夫代表は責任を感じつつも、党内から代表交代を求める声は上がっていない。これは、支持母体である創価学会幹部に責任論が波及しかねないためだとされる。一方の自民党では、昨年の総裁選で決選投票に進んだ高市早苗前経済安全保障担当相が次期総裁に意欲を燃やしており、保守派が結束すれば「高市総裁」が誕生する可能性は十分にある。しかし、「平和の党」を標榜し中道路線を取ってきた公明党にとって、右派色の強い高市氏の総裁就任は本意ではない、というのが党関係者の本音だ。
「泥船」自民党からの距離と“閣外協力”の選択肢
いまだ自民党内では権謀術数がうごめいているものの、公明党幹部は冷静に次のように明かす。「石破茂首相が続投すれば内閣改造と党役員人事が、新首相が選ばれれば組閣と党役員人事が9月に実施されるでしょう。公明党としては、その機会に閣外協力に転じれば良い。いまの自民党は“泥船”以外の何物でもない」。これは、不安定な自民党政権と一定の距離を保ちつつ、公明党の独自性を維持するための戦略と見られている。
高市早苗前経済安全保障担当相
過去の事例に学ぶ「閣外協力」の利点
こうした連合政権における枠組みの変更には過去にも例がある。29年前の平成8年、村山富市首相の後を引き継いだ橋本龍太郎首相は、住宅金融専門会社(住専)の不良債権処理や、沖縄県の米軍普天間飛行場の返還交渉といった難題に直面していた。当時の自社さ連立政権において、同年10月の衆院選で社民党と新党さきがけが議席を減らしたことを受け、第2次橋本内閣の発足とともに両党は閣外協力へと移行した。公明党の関係者は、仮にタカ派の高市内閣に公明党が閣僚を出せば、野党から「閣内不一致」と追及されるリスクが常にあると指摘する。その点、閣外協力ならばこの心配がなく、自民党に対して気兼ねなく党の主張を訴えられるという大きな利点がある。
公明党が実際に閣外協力へと舵を切るのかは今後の政局の動向次第だが、その動向は日本の政治情勢に大きな影響を与えることになるだろう。
Source: https://news.yahoo.co.jp/articles/5cc4416445cd62ed29a35f1f5872b2b1ead29620