伊東市長選に学歴詐称問題で失職の田久保前市長が再出馬を表明

学歴詐称問題と二度の不信任決議により失職した田久保真紀・前伊東市長が、12月に実施される市長選への再出馬の意向を固めたことが明らかになりました。田久保氏は近日中に出馬会見を開く予定とされています。彼女の失職に至る経緯は、市民の間で大きな波紋を呼んでおり、今回の再出馬表明もまた、厳しい視線を集めています。

失職の経緯と相次ぐ批判

田久保前市長を巡る問題は、彼女の「東洋大学法学部卒業」という経歴が実際には除籍処分となっていたという虚偽の学歴申告に端を発しました。さらに、百条委員会への出頭を拒否したことも問題視され、市議会は全会一致で市長不信任案を可決しました。その後、議会が解散され市議選が行われたものの、再度不信任決議がなされ、結果として田久保氏は失職する運びとなりました。これらの問題は、地方自治の信頼を揺るがすものとして、多くの市民や関係者から批判を浴びてきました。

伊東市長の田久保真紀氏、自身のインスタグラムより伊東市長の田久保真紀氏、自身のインスタグラムより

再出馬への「鬼メンタル」と支援者の存在

再出馬を決めた田久保氏を取り巻く状況は、非常に厳しいと言わざるを得ません。10月19日投開票の市議選では、定数20のうち「田久保派」の当選者はわずか1名に留まり、現在の伊東市議会は彼女にとって完全にアウェイの状況です。ある地方紙記者は、「このような中で再出馬を決めるというのは、一体どういう心境なのか。勝算があってのことなのか。彼女の“鬼メンタル”を考えると、勝算がなくても出馬しそうではありますが……」とコメントしています。

しかし、田久保氏には一定の支援者も存在します。11月11日には自身のX(旧Twitter)を更新し、「布石の一手!!」と大きく書かれた匿名のはがきを公開し、「ありがとうございます!」「押忍!!」と応じました。報道陣の取材に対しては、「支援者の考えを聞き、出馬を決めた。市の課題解決に向けてやらなければいけないことをしっかりしていく」と述べたとされています。X上でも、批判的なコメントに混じって応援の声が寄せられている現状が見られます。

未解決の問題と市民の不信感

再出馬を表明したものの、田久保前市長にはいまだ解決されていない問題が山積しています。市議会で議長に「ちら見せ」したとされる卒業証書の実態や、地方自治法違反容疑で刑事告発されている件の進展など、説明責任を果たすべき点が多々残されています。

今回の再出馬表明に対し、インターネット上では厳しい意見が相次いでいます。「刑事告発されてるのにまた出馬って大丈夫なの?一体どういう神経してるんだ?」「再出馬よりも、もっと先に説明するべきこととかあるだろうが」「なんで失職したか考えたら再出馬なんて普通できないよ。これ以上伊東市民や市議を混乱させるな」といった声が多く聞かれ、市民の不信感が根深いことを示しています。

混戦が予想される市長選

今回の伊東市長選には、田久保氏の他に、元市長の小野達也氏や前市議の杉本憲也氏など、すでに5人が出馬を表明しており、混戦が予想されます。市民が望むのは、後ろ暗いところがなく、市の課題に真摯に向き合ってくれる人物が市政を担うことでしょう。来る市長選は、伊東市の未来を左右する重要な選択となることは間違いありません。

参考文献