「脇役さん」でも大企業内定!就活面接の常識を覆す「素直さ」戦略

「私たちの大学では学歴フィルターに引っかかるから、大企業には入れないよ」。このような言葉を耳にして、就職活動に不安を感じている学生は少なくないでしょう。しかし、本当にそうなのでしょうか?特別な経験や突出したスキルがなくても、大手企業の内定を勝ち取る道は存在します。本記事では、有名大学の出身でもなく、華々しいガクチカ(学生時代に力を入れたこと)もなかった「脇役さん」が、いかにして大手食品企業を含む22社から内定を得たのか、その独自の戦略を明らかにします。面接で多くの就活生が陥りがちな落とし穴を避け、自分らしい「素直さ」を武器にすることで、内定へとつながる秘訣を探ります。

「学歴フィルター」の不安を乗り越える!地方大生が見つけた逆転の道

私が偏差値50台の地方私立大学に通っていた頃、友人から「うちの大学からだと、いくら就職活動を頑張っても大企業には入れないよ」と言われたことがあります。学歴フィルターの存在は、当時の私にとって大きな不安材料でした。「学歴フィルターにかけられるかもしれないのに、大企業を目指すのは無意味ではないか?」という友人の主張は、多くの学生が抱く懸念を代弁していました。

周囲がまだ就職活動に本腰を入れていない中、私はこの大学からでも大手企業に入れないかと模索し始めました。そして、ある一つの方法、「これをしたら受かる」という突破口を見つけたのです。それは、学歴や目立った実績がない「脇役さん」でも、誰でもすぐに実践できる逆転の戦略でした。

「脇役さん」でも大企業内定!就活面接の常識を覆す「素直さ」戦略alt="就職活動の面接に臨む学生が不安を抱える様子"

就活面接に溢れる「リーダー」たち:なぜ皆同じ話をしたがるのか?

私が就職活動をしていた時、ある企業の集団面接での出来事が印象に残っています。学生時代に力を入れたこと、通称「ガクチカ」について問われた際のことです。私の前に話した3人の学生は、皆が皆、リーダーや副リーダーの経験を語り始めました。

「私は飲食店でアルバイトリーダーを務めており…」
「私は大学のサークルで副リーダーを経験し…」
「私は塾講師のアルバイトでリーダーをしており…」

それに対して、私はこう回答しました。「私が学生時代に力を入れたことは、挨拶です」と。正直なところ、アルバイトリーダーの経験も、長期インターンも留学も、人目を引くようなすごい経験は何もありませんでした。サークルにすら入っていない始末です。だからこそ、日常的な「挨拶」という話をしたのですが、それが面接官の心に刺さり、見事面接を突破することができたのです。

では、そもそもなぜ就職活動の面接では、これほど多くの「リーダー」が現れるのでしょうか。求人サイトの運営を通じて人事の方々と話す機会が多いのですが、彼らも「アルバイトリーダーやサークルの副リーダーの話をする学生が多い」と口を揃えます。その理由はシンプルで、多くの就活生が「企業は新卒にリーダーシップを求めている」という強いイメージを持っているからです。実際、様々な調査で新卒に求める資質としてリーダーシップが挙げられることは多く、リーダーシップのある人材が求められるのは事実です。

ですが、それは「本当にリーダーシップ」を強みとして持つ人の話であり、企業が求めているのは「仮初(かりそめ)のリーダーシップ」ではありません。にもかかわらず、本音ではリーダーシップが最大の強みだと思っていない学生も、「リーダーシップが評価されるから、リーダー経験を話そう」としてしまいます。その結果、本来他に素晴らしい資質を持っているはずの学生も、無理にアルバイトリーダーの話をしてしまうのです。さらには、実際には経験していないのに、アルバイトリーダーやサークルの副リーダーを経験したと話す学生も少なくないと聞きます。これでは、学生の適性を測るための面接が、本末転倒になってしまいます。

「素直さ」が最強の武器!面接官が本当に求める人物像

求人サイトに関連する取材で、求人を出している企業の方々から頻繁に「素直な人を採用したい」という声を聞きました。これは、他の多くの企業に取材しても共通して聞かれることです。就活生は、まさにこの「素直さ」にこそ着目すべきなのです。

例えば、他の就活生が「自分はすごいです!リーダーシップがあります!」と話す中で、「正直にお伝えすると、私はリーダーシップには自信がありません」と話してみてください。こうすると、面接官は「素直さ」を感じるのではないでしょうか。そして、正直に話すことで、「リーダーシップには自信がないけれど、この能力なら自信があります」という、本来の自分の強みの話に説得力が増すのです。

他にも、多くの就活生が弱みを「強み」のように話そうとする中で、「一度決めたら他のことを考えられなくなるのが弱みです。色々と改善しようと試みましたが、正直、改善できません」と話すなど、あえて「逆の戦略」を取ることも有効です。私が著書『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』で解説しているのは、私のような学歴も実績も自信がない「脇役タイプ」の就活生でも、就職活動で評価される方法があるということです。その根幹となる戦略の一つが、この「正直さ」や「素直さ」という人柄で勝負することなのです。

就活は「自分に合う企業探し」:受験とは異なる本質を理解する

就職活動は、すごいアピール競争ではありません。就職活動の本当の目標は、自分に合う企業を探すことです。その意味で、嘘をつく必要は全くありません。仮に、しっかりと選考対策をしたにもかかわらず不採用になったとしても、「自分に合わない企業だっただけ」と考えることができます。

私たちは受験に慣れてしまっているため、どうしても就職活動を受験と同じように捉えがちです。受験であれば、「テストの点数」という一つの明確な指標で合否が決まるため、もし落ちたら自分の努力不足、実力不足と認めざるを得ません。しかし、就職活動は違います。どれだけリーダー経験のある優秀な人でも、企業によっては「すぐに独立しそう」といった理由で不採用になることもあります。

このような就職活動の本質を理解し、その「余白」に対して「面白い」と感じる就活生が一人でも増えてくれたら嬉しいです。自分の本当の姿と向き合い、「素直さ」という強力な武器を携えて、あなたにぴったりの企業を見つける旅を楽しんでください。