作詞家・及川眠子氏がX(旧ツイッター)を更新し、音楽制作者への許諾申請を巡る問題に言及。「オリジナルの制作者への礼儀」「理解してないのはプロ失格」と厳しく指摘した。この発言は、アニメ「ダンダダン」劇中歌の著作権議論と関連するとみられている。
及川眠子氏の公式X(旧ツイッター)アカウントのプロフィール画像。
「ダンダダン」劇中歌騒動の背景
及川氏の発言の詳細は不明だが、時期からして8日公開のアニメ「ダンダダン」の劇中歌「Hunting Soul」を巡る問題が背景にあると見られる。X JAPANのYOSHIKI氏はこの楽曲について9日、「X JAPANに聞こえない?」と述べ、著作権問題で話し合いが進むことを示唆。最初のシャウトやドラムがX JAPANの名曲「紅」を想起させ、「パクリ」か「オマージュ」かでSNSが沸騰している。
人気アニメ「ダンダダン」の劇中歌に対する著作権問題に言及したX JAPANのYOSHIKI氏。
及川氏が語る「礼儀」の真髄
及川氏は自身の楽曲「残酷な天使のテーゼ」のオマージュ曲が映画「ヲタクに恋は難しい」の劇中歌「我は地を這う」として制作された際のエピソードを披露。当時の音楽監督・鷺巣詩郎氏が、作詞家、作曲家、編曲家、音楽出版社、メーカー、「エヴァ」制作会社まで、全ての関係者に許諾連絡を入れたことを明かした。及川氏は「鷺巣さんの仕事ではない」と笑いつつも、「ここまでするのはオリジナルの制作者への礼儀」と強調。「権利以上に礼儀を欠いてはいけない。商業音楽のプロとして、それを理解しないのは完全に失格だ」と強い姿勢を見せた。
嘉門達夫氏の事例が示す「当たり前」
及川氏の投稿への「嘉門達夫さんと同じ現象?」というユーザーの問いに対し、及川氏は「嘉門達夫さんは替え歌制作時、全ての関係者に許諾連絡を取っている」と説明。音楽出版社を通じ作詞家・作曲家はもちろん、歌詞に人名が登場する場合はその本人や関係者にも確認していると述べた。この嘉門氏の真摯な姿勢こそが「使用許諾においては『当たり前』であり『基本』だ」と及川氏は強調し、プロの倫理観を訴えた。
結論
今回の及川氏の発言は、音楽作品における著作権の問題だけでなく、クリエイターが持つべき倫理観と、オリジナル作品への「礼儀」がいかに重要であるかを改めて浮き彫りにした。法的権利の遵守はもちろんのこと、商業音楽の世界で活動するプロフェッショナルとして、互いの創造性に対する敬意と適切な許諾プロセスが、健全な業界の発展には不可欠であることが示唆される。
参考文献
- 及川眠子氏、音楽制作者への許諾申請問題に「オリジナルの制作者への礼儀」「完全に失格」: Yahoo!ニュース