エプスタイン事件の新展開:FBI情報提供者疑惑を裏付ける機密文書が流出

米政界を震撼させたジェフリー・エプスタイン氏の未成年者買春スキャンダルに、新たな局面が訪れている。2019年に獄中死したエプスタイン氏が、連邦捜査局(FBI)の情報提供者であったことを示す機密文書が流出し、これまでベールに包まれていた事件の真相が明らかになる可能性が浮上した。この疑惑は、米国の司法と政治におけるエプスタイン事件の複雑な背景に、新たな光を当てるものと期待されている。

米国の暴露系ニュースサイト「レーダー・オンライン」は、情報公開法に基づき入手したとされるFBIの内部ファイルを公開し、エプスタイン氏が密かに米国政府に協力する「FBI情報提供者」だったと特ダネとして報じた。同サイトに掲載された文書の画像は、上部にFBIの正式名称が太字で印刷され、以下の項目で構成されている。

優先度: 通常
日付: 2008年9月18日
発信者: 空白
表題: 一般的差し押さえ事項 ジェフリー・エプスタイン 起訴取り下げー児童売春
概要: 差し押さえサブファイルFFの閉鎖を要求する。

これに続く説明文には、「2008年9月11日、担当捜査官は筆者(通達作成者)に対し、エプスタインが現在フロリダ州によって起訴されており、同州との司法取引のすべての条件を順守していると助言した。また、エプスタインは合意に基づきFBIにも情報を提供している」と明記されている。さらに、「担当捜査官は、エプスタインがフロリダ州との合意を引き続き遵守する限り、本件について連邦レベルでの起訴は行われないとも述べた。さらに、本件についての差し押さえ支援は今後不要であるとの助言もあった。仮に本件が連邦レベルで進展する場合は、筆者への連絡を要請する」と続く。この文書は、「本件においてこれ以上の差し押さえ関連の対応は不要と判断されるため、サブファイル『FF』の閉鎖を要請する」と結ばれている。

1992年に謎の富豪ジェフリー・エプスタイン氏と会話するドナルド・トランプ氏1992年に謎の富豪ジェフリー・エプスタイン氏と会話するドナルド・トランプ氏

この文書が作成されたのは、エプスタイン氏が2008年6月30日にフロリダ州裁判所で未成年者買春勧誘の罪で有罪判決を受けた直後の時期である。彼は2006年7月24日にフロリダ州パームビーチ警察に売春勧誘の疑いで逮捕され、18か月の刑に服したが、その際に驚くべき優遇措置を受けていたことで知られる。具体的には、刑務所の特別区画に収容され、週6日最大12時間の外出が許されるという異例の便宜が図られ、さらに刑期が5カ月短縮され、2009年7月には服役を終えて釈放された。

FBI文書の記述は、フロリダ州の検察当局がFBIの意向を受け、エプスタイン氏に対して異例の司法取引を行ったことを強く示唆している。平たく言えば、彼は以前からFBIに情報提供を行っており、その「貴重な情報提供者」が州警察に逮捕された際、FBIは司法省を介して州検察に対し、訴追に「手加減」をするよう働きかけ、結果として穏便な判決と刑務所での特別な扱いを実現させたと見ることができる。

今回の文書流出は、ジェフリー・エプスタイン事件の背後にある、政府機関との複雑な関係性を改めて浮き彫りにした。彼の突然の「獄中死」を巡る陰謀論が根強い中、新たな情報提供者疑惑は、この世界的スキャンダルの全容解明に向けた重要な一歩となるかもしれない。米国の司法と政治における透明性が、改めて問われることとなるだろう。

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