イギリスの世界的ロックバンド、オアシスが、16年ぶりとなる韓国公演を目前に控え、再び物議を醸しています。バンドが公式SNSで公開した画像が日本の軍国主義を象徴する旭日旗を連想させるとし、韓国のファンから強い批判が噴出。これに加えて、メンバーの過去の人種差別的な発言も再燃しており、公演を前に複雑な様相を呈しています。
旭日旗を連想させる画像投稿と韓国の反発
オアシスは8月8日、公式インスタグラムアカウントに「『Morning Glory』の新しいビジュアルをチェックせよ」というメッセージとともに短い動画を投稿しました。これは10月にリリースされるアルバム『(What’s The Story) Morning Glory?』30周年記念版の予告でしたが、動画の途中に旭日旗を思わせる画像が含まれていました。旭日旗は、日本が第二次世界大戦中に使用した軍旗であり、日本の軍国主義の象徴とされ、「戦犯旗」と分類されています。特に過去に日本から侵略を受けた韓国や中国などのアジア諸国にとっては、歴史的な苦痛と傷を想起させるシンボルです。この投稿に対し、韓国のファンからは「気でも触れたか」「ドイツのコンサートでもナチスの旗を掲げてみろ」「謝罪しろ」「韓国で金は稼ぎたいが、尊重はしないのか。失望だ」といった非難のコメントが殺到しましたが、該当動画は現在も削除されていません。
過去には人種差別的発言も – リアム・ギャラガーの炎上
今回の旭日旗を巡る騒動に加え、過去にメンバーのリアム・ギャラガーが人種差別的な発言で物議を醸したことも再注目されています。彼は7月1日、自身のSNSに何の脈絡もなく「チンチョン(Chingchong)」と書き込みました。この「チンチョン」とは、中国人を含むアジア系住民を侮辱する俗語として知られています。指摘に対しリアムは「なぜ」「どうでもいい」といった返答を繰り返しましたが、非難世論が高まると該当投稿を削除。「意図せず誰かの気分を害してしまったのなら申し訳ない。私はすべての人を愛し、いかなる差別もしない」との謝罪文を掲載しました。
オアシスの軌跡と今後の韓国公演
オアシスは1991年、ノエル・ギャラガーとリアム・ギャラガー兄弟を中心に結成され、1990年代のブリットポップの隆盛を牽引しました。「第二のビートルズ」と称され、世界的に9,000万枚を超えるアルバムセールスを記録するなど、音楽界に多大な影響を与えてきたバンドです。そのオアシスが10月21日、京畿道高陽総合運動場で16年ぶりとなる韓国公演を行います。今回の騒動が今後の公演にどのような影響を与えるのか、動向が注目されます。