フランス、リステリア菌汚染チーズ約40種を回収：2名死亡、食品安全に警鐘

フランスで食中毒原因菌リステリア菌に汚染された可能性のあるチーズ約40種が回収され、2名が死亡しました。この事態は、食品安全への懸念を広げています。

汚染源特定と大規模回収

保健当局の疫学調査により、今回のリステリア菌感染はフランス中部のシャヴグラン乳製品工場で生産されたチーズと関連付けられました。これを受け、同工場製造のカマンベール、クリームチーズ、ヤギチーズなど約40種が回収措置となり、既にこれらのチーズを購入した消費者には摂取中止が強く呼びかけられています。

フランス保健当局が回収指示したリステリア菌汚染の疑いがあるチーズ製品

広範囲な流通とメーカー・当局の対応

保健当局によると、問題のチーズはカルフール、アルディ、ノルマ、オーシャン、ルクレールといった主要スーパーのほか、一部は海外市場でも販売されていました。製造元のシャヴグラン社は声明で、被害者へ心からの慰労を表明。今回の回収対象となっているチーズは6月初めに閉鎖された旧生産ラインで製造されたものであり、現在は新しいラインへと移行済みと説明しました。フランス農業部の関係者は、現在販売中の同社チーズが「運営者と当局者の厳格な監督の下で製造・流通され、日々、高い水準の微生物検査を実施している」と強調しています。

リステリア菌の危険性と注意喚起

リステリア菌は低温や冷蔵環境下でも増殖する有害細菌です。主に乳製品、肉類、魚などを介して感染し、発熱、筋肉痛、下痢など初期症状が出ます。特に免疫力の低下した高齢者や乳幼児、妊婦などでは敗血症や髄膜炎といった重篤な疾患を誘発する可能性があり、十分な注意が必要です。感染を避けるためにも、食品の適切な管理と加熱調理を徹底し、食品安全意識を高めましょう。