政治団体「再生の道」代表の石丸伸二氏(43歳)が、YouTubeチャンネル「ReHacQ(リハック)」に出演し、2ちゃんねる開設者であるひろゆき氏(西村博之氏)から「集団戦が苦手」との指摘を受け、激しい議論を交わしました。この対談は、石丸氏が9月に代表を退任し、新たな代表選を実施すると発表した直後であり、その背景にあるリーダーシップや組織論についての見解が注目されています。
真剣な表情で語る石丸伸二氏。ひろゆき氏との対談や政治団体「再生の道」の動向が注目される。
「集団戦が苦手」ひろゆき氏の鋭い指摘
参院選からわずか2日後の7月22日、石丸氏は石川県内の温泉にて、ひろゆき氏、元日本経済新聞記者の経済ジャーナリスト後藤達也氏、そしてReHacQ主宰者の元テレビ東京プロデューサー高橋弘樹氏の4名とアルコールを酌み交わしながら、本音のトークを展開しました。この中で、ひろゆき氏は石丸氏の政治活動におけるスタンスについて鋭い指摘を投げかけます。
ひろゆき氏は、「石丸さん、元々1人で立ち上がったじゃないですか、都知事選の時に。『1人でやります』『支援ないです』って。でもあまりに支援が集まりすぎて、1人じゃなくなったんですよ。で、組織戦を始めたけど、元々トライアスロンの人じゃないですか。何でも1人でやりたいんですよ。やっぱり集団苦手じゃないですか」と切り出し、石丸氏が本質的に集団での活動を好まない「孤高のリーダーシップ」の持ち主ではないかと推測しました。さらに、「集団戦をやるものだとみんな思って『石丸さんお願いしますよ!』って言われて、『あれ、これ得意だっけ? やらないといけないんだっけ?』って…」と、石丸氏が組織の期待と自身の志向との間で葛藤している可能性を示唆しました。
石丸氏の反論と「市長経験」の主張
ひろゆき氏の指摘に対し、石丸氏は「これちょっと僕から言っていいですか、それは先入観です」と即座に反論しました。「僕は市役所で4年間、トップを務めてますからね。市役所の中でチームビルディングはそれなりにやったと」と述べ、自身には組織を率い、チームを構築してきた経験と実績があることを強調しました。
しかし、ひろゆき氏はその反論に対し、「でも市長選を1人でやるやつで勝って」と返し、さらに市長としての立場と政治団体の代表としての立場には本質的な違いがあると主張します。ひろゆき氏は、市長と職員の関係が「あくまで肩書・役割で命令系統の仲」であるのに対し、政治団体は「一応の肩書はあれど、上下関係はない。給料払っているわけでもない。みんなで話し合いをして、みんなが(リーダーに)期待する」関係性であると分析。市長に期待せず給料のために働く職員もいる一方で、政治団体では「期待というモノで人をつないでいく」ため「同じ思い」が必要不可欠だと語りました。そして、「そもそも論、そんなのトライアスロンの人にはないわけですよ。全部1人でやりたい、自分の力でやりたい。根本的に(政治団体は)合わないのかなっていうね」と、改めて石丸氏の「政治団体における組織運営」への適性について疑問を呈しました。
成果とリーダーシップを巡る応酬
ひろゆき氏の根源的な指摘に対し、石丸氏は「でも、そのロジックでいったら、僕は全部のリソースを自分に集中させて終わりだったんですよ。でもそれをしなかった」と、自身の行動がひろゆき氏の描く「ソロプレーヤー」像とは異なることを主張しました。
これに対し、ひろゆき氏が「しなかった故に失敗したんですよ」と畳みかけると、石丸氏は「いやいや僕のやり方でこれ以上のパフォーマンスを発揮できる人はいないと思いますよ」と譲らず、自身のリーダーシップとこれまでの成果に対する強い自信を示しました。このやり取りは、個人の能力と組織の力、そしてリーダーの役割について、二人の異なる視点と哲学を浮き彫りにしました。
政治団体「再生の道」代表退任と今後の展望
石丸氏は先月27日の会見で、自身が政治団体「再生の道」の代表を退任し、9月に代表選を実施することを発表しました。この決定について、「当初の予定に沿った」ものであり、6月の都議選や7月の参院選で合計52人の立候補者が落選したことに対する引責辞任ではないと説明しました。
1日にはすでに5人の立候補者が公表されており、今後の日程は、9月14日に代表選考会(ライブ配信)、同15日に投票、16日に新代表の発表記者会見が予定されています。石丸氏とひろゆき氏の議論は、石丸氏のリーダーシップのスタイルと「再生の道」の組織運営における課題を浮き彫りにした一方で、今後の代表選とその結果が、同団体の未来にどのような影響を与えるのか、引き続き注目が集まります。