インド・パキスタン空戦:ラファール撃墜「情報戦失敗」が原因か

今年5月のインドとパキスタンの武力衝突で、インド空軍の最新鋭戦闘機ラファールが撃墜されたとされる。その原因は「機体の性能ではなく情報戦のミス」との説がロイター通信により報じられた。

「射程距離の誤認」が致命傷に

ロイター通信は、インド軍パイロットがパキスタン軍の中国製PL-15ミサイルの射程を約150kmと認識したが、実際は200km以上で、この誤認が決定打となったと指摘した。双方の戦闘機が自国領空から出ずに交戦する視界外交戦(BVR)下では、正確な射程情報があれば撃墜は避けられたとの見方だ。ラファールパイロットは自身が射程圏外と誤認したまま攻撃を受けたという。パキスタン空軍関係者も「パキスタン軍はインド軍を待ち伏せ攻撃した」と証言。英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)のジャスティン・ブロンク研究員はPL-15の長距離戦における強みを指摘した。

インド・パキスタン空軍の戦闘機が交戦する様子を描いたイメージイラスト。情報戦の重要性を示す。インド・パキスタン空軍の戦闘機が交戦する様子を描いたイメージイラスト。情報戦の重要性を示す。

パキスタン軍の優位性:統合監視システム

パキスタン軍は中国製J-10戦闘機などで地上と空中の監視網を統合する「チェーンシステム」を構築し優位に立った。このシステムにより、J-10は相手レーダーに探知を避けインド軍に接近可能だったとされる。これに対し、インド軍は、複数国から導入した戦闘機システムの統合に時間を要していると認めている。

インド軍の戦術修正と公式見解

ラファール撃墜後、インド軍は長距離攻撃へ戦術を修正し、自国製超音速巡航ミサイル「ブラモス」でパキスタン防空網を複数回突破、少なくとも9カ所の基地やレーダーなどを攻撃した。一方で、インドは情報戦失敗への言及を避け、ラファール撃墜も公には認めていない。しかし、フランス空軍参謀総長やラファール製造元のフランス・ダッソー社役員が、作戦中にラファール1機を損失したと証言している。

情報戦の重要性と戦闘の背景

専門家は、今回の両国間の交戦が中国製と西側製の航空機の優劣を確実に立証するものではなかったとしつつも、「正確な情報の確保と活用」の重要性を改めて示したと指摘する。RUSIのグレッグ・ベグウェル氏(元英空軍中将)は「今回の戦闘の勝者は、最も優れた状況認識能力を持つ側だった」と評価した。

この空中戦は、今年5月7日のインド軍空襲で始まり、3日後の10日に米国の仲裁で終結した。インドは「4月に民間人26人が犠牲になったカシミールでのテロへの報復」と主張している。この戦闘では両国から110機以上の戦闘機が出撃し、第二次世界大戦後で最大規模の空中戦となる可能性が高い。

今回のインド・パキスタン衝突は、兵器性能に加え、情報収集・分析と状況認識の優位性が現代の軍事衝突で決定的役割を果たすことを浮き彫りにした。各国軍は今後、情報戦能力の強化を一層重視するだろう。

参照元:Yahoo!ニュース / 朝鮮日報日本語版