竹下派 会長復帰で態勢立て直し





自民党・平成研究会の会合に臨む竹下亘会長=11月28日午後、東京・永田町(春名中撮影)

 自民党第2派閥の名門・竹下派(平成研究会、54人)が、態勢の立て直しに追われている。幹部が立て続けに体調不良に襲われ、派の先行きが不安視されたためだ。「ポスト安倍」を見据え、かつての鉄の結束を取り戻せるか、執行部の手腕が問われそうだ。

 11日の吉田氏の党葬には、竹下派会長の竹下亘元総務会長、関口昌一参院議員会長がそろって出席した。

 竹下派の議員にとって、両氏の出席は重い節目となった。竹下氏は5日の派閥会合で「党葬はわれわれにとってものすごく大事だ。全員こぞって参加してほしい」と呼びかけていた。

 今年は竹下派の受難が続いた。竹下氏は1月に食道がんを公表し、11月28日に復帰するまで約11カ月間、公の場から姿を消した。さらに、7月に参院議員会長に就いた関口氏は9月に体調を崩して不在となり、参院で大きな影響力を誇っていた吉田氏が10月に死去した。竹下氏が今月9日の派閥会合で「おはらいでもせにゃいかん」とこぼしたほどだ。

 11日、竹下、関口両氏の姿を見た中堅議員は「ようやく形が整ってきた」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 しかし、重い課題は残る。昨年9月の党総裁選では、安倍晋三首相支持と石破茂元幹事長への支持で対応が割れ、自主投票となった。首相の党総裁任期が2年を切る中で、派の求心力を保つのは容易ではない。

 派のベテランは「派がまとまるには総裁候補を出すことだ」と話す。派では、会長代行の茂木敏充外相に加え、加藤勝信厚生労働相も「ポスト安倍」の一人と目されている。幹部が戻った派がどう戦略を描くか注目される。(大橋拓史)



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