岩田剛典、『シミュレーション』で魅せる精悍な海軍軍人役:朝ドラ『虎に翼』と繋がる「総力戦研究所」の深掘り

2025年は終戦80年を迎える中、NHK総合でスペシャルドラマ『シミュレーション~昭和16年夏の敗戦~』が二夜連続で放送され、大きな注目を集めました。主演の池松壮亮に加え、国民的アーティストであり俳優の岩田剛典が海軍軍人役で登場。その精悍な演技と佇まいが視聴者を驚かせ、「総力戦研究所」という歴史的テーマへの関心を一層高めています。

朝ドラ『虎に翼』から深掘りする「総力戦研究所」

NHK朝ドラ『虎に翼』の後半で、佐田寅子(伊藤沙莉)の同僚判事・星航一(岡田将生)が抱える心の秘密として「総力戦研究所」の存在が明かされ、多くの視聴者がその名を知ることになりました。この研究所は戦時中、内閣総理大臣直属の機関として設立され、官民のエリートを集めて模擬内閣を組織。対アメリカ戦の正確なシミュレーションを行い、「圧倒的敗戦」という結論を導き出していました。しかし、この進言にもかかわらず日本は太平洋戦争に突入。開戦を阻止できなかった航一の苦悩が描かれました。

本作『シミュレーション』は、この『虎に翼』で触れられた総力戦研究所にさらに深く切り込み、若きエリートたちが敗戦の未来を前に苦闘する姿を克明に描いています。

岩田剛典、海軍軍人役での「精悍な佇まい」が際立つ

ドラマ前編は、産業組合中央金庫の調査課長である池松壮亮演じる主人公・宇治田洋一の元に内閣総理大臣から招集命令がくるところから始まります。彼は、模擬内閣を作る総力戦研究所に集められた35名の若き精鋭たちの中に身を置くことになります。その多様な面々の中で、一際目を引くのが岩田剛典演じる海軍少佐・村井和正です。2列目の通路側に着席する彼の黒い軍服姿は、微動だにせず、常に背筋がピンと伸びています。

岩田剛典、ドラマ「シミュレーション」で俳優としての新境地を開く岩田剛典、ドラマ「シミュレーション」で俳優としての新境地を開く

精鋭たちを集めた総力戦研究所所長・板倉大道(國村隼)から研究所の目的が告げられ、他の若者たちが動揺を隠せない中、村井は陸軍少佐・高城源一(中村蒼)と共に冷静さを保ち、その精悍な佇まいは息をのむほどです。LDHアーティストとしてだけでなく、俳優としての岩田剛典の新たな一面が、歴史の重みに直面する軍人役に深みを与え、視聴者に強烈な印象を残しました。

『シミュレーション~昭和16年夏の敗戦~』は、終戦80年という節目の年に、日本の歴史における重要な教訓を現代に問いかける作品です。岩田剛典の熱演は、単なるエンターテインメントに留まらず、歴史の真実と人間の葛藤を力強く表現しており、今後の彼の俳優活動にもさらなる期待が高まります。

参考資料