台風12号、鹿児島に上陸迫る異例の進路変更と線状降水帯の警告

九州のすぐ西の海上を進んでいた熱帯低気圧が、予測に反して台風12号へと発達しました。当初は東シナ海を北上する見込みでしたが、急な進路変更により、今夜遅くにも鹿児島県への上陸が懸念されています。すでに鹿児島県薩摩地方の大部分が強風域に入っており、大雨と強風に対する厳重な警戒が必要です。特に線状降水帯発生の予測も出ており、災害への危険度が急激に高まるおそれがあります。

台風12号の異例の進路と現在の状況

熱帯低気圧は21日(木)9時、鹿児島県薩摩川内市の西約90キロ(北緯31度50分、東経129度25分)で台風第12号に変わりました。台風はゆっくりとした速さで北東へ進んでいます。中心の気圧は1004ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は18メートル、最大瞬間風速は25メートルで、中心の南側150キロ以内と北側110キロ以内では風速15メートル以上の強い風が吹いています。

今回の台風12号は、当初の予測から大きく逸れ、九州本土への接近、上陸の公算が高まっている点が特徴です。

鹿児島県に上陸迫る台風12号の予報円鹿児島県に上陸迫る台風12号の予報円

台風の中心は、12時間後の21日(木)21時には薩摩川内市の西約30キロ(北緯31度50分、東経130度00分)を中心とする半径75キロの円内に達する見込みです。この時点での中心の気圧は1004ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は18メートル、最大瞬間風速は25メートルが予想されています。その後、台風は熱帯低気圧に変わり、24時間後の22日(金)9時には宮崎市付近(北緯32度00分、東経131度30分)を中心とする半径105キロの円内に達する見込みで、中心の気圧は1008ヘクトパスカルが予想されます。なお、台風や熱帯低気圧の中心が予報円に入る確率は70%です。

警戒すべき雨と風の予測:線状降水帯の可能性

鹿児島県(奄美地方を除く)では、21日(木)夕方から22日(金)夕方にかけて、線状降水帯が発生する可能性があり、これに伴い大雨災害の危険度が急激に高まるおそれがあります。薩摩、大隅、種子島・屋久島地方では、22日(金)夜遅くにかけて局地的に雷を伴った非常に激しい雨や激しい雨が降り、大雨となるでしょう。

雨の予想(多い所)

  • 21日(木)に予想される1時間降水量
    • 薩摩地方:60ミリ
    • 大隅地方:40ミリ
    • 種子島・屋久島地方:50ミリ
  • 22日(金)に予想される1時間降水量
    • 薩摩地方:50ミリ
    • 大隅地方:40ミリ
    • 種子島・屋久島地方:50ミリ
  • 21日(木)正午〜22日(金)正午に予想される24時間降水量
    • 薩摩地方:250ミリ
    • 大隅地方:180ミリ
    • 種子島・屋久島地方:200ミリ
  • 22日(金)正午〜23日(土)正午に予想される24時間降水量
    • 薩摩地方:150ミリ
    • 大隅地方:150ミリ
    • 種子島・屋久島地方:100ミリ

線状降水帯が発生した場合は、局地的にさらに雨量が増えるおそれがあるため、土砂災害や河川の氾濫、低い土地の浸水に厳重な警戒が必要です。


台風12号は異例の進路変更を経て、鹿児島県への上陸が目前に迫っています。特に線状降水帯発生の可能性も指摘されており、広い範囲での大雨と強風による災害リスクが高まっています。住民の皆様は、常に最新の気象情報を確認し、安全を確保するための早めの備えを心がけてください。

参考資料: