キム・ヒョナ:型破りなスタイルでK-POP界を牽引するカリスマの軌跡

K-POP界で独自の道を切り開き、常に注目を集めてきたアーティスト、キム・ヒョナ。アイドルとしては異例だったタトゥーの公表や熱愛発覚、さらには自身のうつ病やパニック障害の告白など、既存の型にはまらない生き方を貫き、圧倒的な存在感を放ってきました。彼女の唯一無二のキャリアと、その魅力の深層に迫ります。

キム・ヒョナの歩み:デビューからソロ活動まで

キム・ヒョナは、K-POPの歴史に名を刻むガールズグループ「Wonder Girls」と「4Minute」の元メンバーです。グループ脱退後は、シンガー、ラッパー、作詞作曲もこなすソロアーティストとして幅広く活動しています。彼女のキャリアは幼少期に遡り、小学校3年生からダンススクールに通い、BTSのジンやTWICEのナヨンなど多くのスターを輩出した建国大学の芸術・文化学部へ特別入学するなど、早くからアーティストとしての道を歩んでいました。

2007年、若干15歳でWonder Girlsのメンバーとしてデビュー。当時からラップ担当として、10代とは思えない大人びた雰囲気と豊かな表現力で注目を集めますが、約5ヶ月で健康上の理由からグループを脱退します。

元Wonder Girls、4Minuteとして活躍後、ソロアーティストとして活動するキム・ヒョナ元Wonder Girls、4Minuteとして活躍後、ソロアーティストとして活動するキム・ヒョナ

2009年、キム・ヒョナは「4Minute」のメンバーとして再デビューを果たします。このグループは、ファンキーでストリート感のある強い女性像を打ち出し、ヒョナはメインラッパー、リードダンサー、そしてセクシーなコンセプトの中心人物としてグループの人気を牽引しました。

境界を越える表現者:タトゥーと型破りなメッセージ

彼女のパワフルなパフォーマンスとともに、世間の注目を集めたのがそのタトゥーです。2010年代初頭から中盤にかけて、タトゥーを公に見せるK-POPアイドルはまだ少数派でした。BIGBANGのG-DRAGONや元2PMのJay Parkらがその先駆者として知られる中、キム・ヒョナもまた自身のタトゥーを隠すことなく公表しました。

彼女の背中には「My mother is the heart that keeps me alive.(私の母は、私を生かし続ける心臓です)」、腕の内側にはラテン語で「時間」を意味する「TEMPUS」、首の後ろには「Faith(信念)」といった文字が刻まれており、それぞれのタトゥーが彼女自身の哲学や大切なメッセージを表現しています。この型破りなスタイルは、当時のK-POPシーンにおいて異彩を放ち、彼女の個性を際立たせる要因となりました。

身体にタトゥーを施し、K-POPアイドルとしては珍しい型破りなスタイルを貫くキム・ヒョナ身体にタトゥーを施し、K-POPアイドルとしては珍しい型破りなスタイルを貫くキム・ヒョナ

「江南スタイル」からグループ解散、そして絆の再確認

2012年、キム・ヒョナはPSYの世界的な大ヒット曲「江南スタイル」の公式ミュージックビデオに出演し、その知名度を世界中に轟かせました。グループ内でもソロ活動が異例のヒットを記録し、個人としての注目度が非常に高まったため、「グループ活動よりもキム・ヒョナ単体の方が有名」と揶揄されることもあり、「ヒョナ with 4Minute」と皮肉るファンも少なくありませんでした。

このようなメンバー間の格差は、グループ内の確執を生んだのではないかとの憶測も流れました。キム・ヒョナを除くメンバーが契約を更新せずにグループの解散が発表されると、その直後にメンバーたちがSNS上でヒョナのアカウントをフォロー解除し、ファンの間で大きな話題となりました。

しかし、それから約9年後、キム・ヒョナは4Minuteのグループ写真とともに「We were so beautiful. So precious.(私たち、とても美しかった。大切だった)」というコメントを自身のInstagramに投稿。リーダーを務めたジヒョンも、メンバーに花やケーキを贈るなど思い出深い投稿をSNSにアップし、「当時はまだよくわからなかった…でも今は感謝しかない」と、当時の絆を振り返る内容を公開しました。さらに、キム・ヒョナがメンバーとのツーショットをSNSに投稿するなど、グループメンバーとの絆が途切れていないこと、あるいは復活したことをアピールし、多くのファンを感動させました。

PSYの「江南スタイル」MV出演で世界的な注目を集めたK-POPアーティスト、キム・ヒョナPSYの「江南スタイル」MV出演で世界的な注目を集めたK-POPアーティスト、キム・ヒョナ

K-POPアイドルとして型破りなスタイルを貫き、自らの信念を表現し続けてきたキム・ヒョナ。デビューから現在に至るまで、常に進化し続ける彼女のアーティストとしての姿勢は、多くのファンに勇気とインスピレーションを与え続けています。未来の活動にも、さらなる期待が寄せられています。