〈《月収600万の女性もいるけれど…》「ほとんどの子は好きでやってる仕事じゃない」東京のナゾの歓楽街“吉原”で働く女性たちの「給料事情」〉 から続く
給料20万円→100万円超に増える可能性――東京・吉原で働く男性スタッフたちの“夢のある”給料事情とは? かつて同地で働いていたことのある男性へのインタビューに成功した、花田庚彦氏の新刊『 台東区 裏の歩き方 』(彩図社)より一部抜粋してお届けする。(全3回の2回目/ 続きを読む )
◆◆◆
スタッフのほうが夢がある
続いてスタッフの待遇について聞くと、こちらも夢があるという。
「店によって違うと思いますが、最初は20万円ちょいから始まって、マネージャーになったら50万円、店長になったら100万円以上という感じですかね。雇われ社長になると、オーナーに上納金というか、決まった取り分を渡したらあとは好きにしていいといった、ある程度の権限が認められる場合が多いと聞いています。
代わりに、売り上げが悪くて、オーナーが要求する取り分に届かなかったら、身銭を切らないといけないそうですが。そういう意味では、スタッフのほうにも夢はありますよ。ただ、こちらは嬢に比べると、いい思いをできるのは一握りにすぎないですが」
吉原の“懲りない面々”
では、吉原で働く男たちは、どうしてその“一握りの夢”を掴むべく、この地で働き始めることとなったのか。W氏は少し言いにくそうにしながらも、こう答えた。
「まあ……やっぱり脛に傷持つ身の人が多いですよね。というか、ない人のほうが少ないと思います。よくある例では、どこかで商売をやっていたけど、失敗して多額の借金を背負って逃げてきたとかね。家族も捨てて、着の身着のままで吉原に来た。ここならそんな人間でも働けるんですよ」
吉原では伝統的に、働き始めるとスーツや靴など、仕事に必要なものは買ってもらえるそうだ。そのうえ寮もあって飯も食えて、昔のことを聞かれずに働ける。






