韓国南部の慶尚南道巨済(キョンサンナムド・コジェ)市で、猫の仮面をかぶった20代の女性が大型マート(スーパーマーケット)店内で刃物を振り回すという衝撃的な事件が発生し、警察に現行犯逮捕されました。この事件は、公共の場所における安全への懸念を改めて浮き彫りにしています。
刃物を振り回し客を威嚇する不審な行動
慶尚南道巨済警察署によると、立件された20代女性A氏は今月2日午後7時23分ごろ、巨済市玉浦洞(オクポドン)にある大型マートで、刃物2本を持って店内を徘徊しました。A氏は刃物を空中に振り回したり、陳列台を突き刺したりして、周囲に居合わせた客に強い不安を与えました。
特に、おもちゃコーナーで子どもたちと遭遇した際には、両手に持った刃物を高く持ち上げて子どもたちに接近し、逃げ惑う子どもたちを追いかけるかのような行動を見せました。
韓国巨済市のマートで刃物を持ち、不審な行動をとる猫の仮面を被った20代女性の姿
事態を察知したマートの職員たちは、すぐにA氏に駆け寄り「落ち着いてください」と呼びかけましたが、A氏が刃物を持って接近してきたため、一時後退を余儀なくされました。その後、職員たちは避難させた客たちの安全を確保しつつ、長い傘を持ってA氏に再び近づき「刃物を下ろしてください」と説得を試みましたが、A氏はさらに興奮し、職員に向かって突進するなどの危険な行為に及びました。
警察の迅速な対応と逮捕
マートからの通報を受け、現場に急行した警察官は、盾と三段警棒で武装し、A氏に接近しました。警察は「刃物を捨てろ」と複数回にわたって警告した後、迅速な判断でA氏を取り押さえ、公共の場所での刃物所持の疑いで現行犯逮捕しました。この迅速な対応により、大規模な負傷者が出ることなく事態が収束しました。
奇妙な供述と背景
逮捕後、警察が「他に刃物を持っているか」「なぜ刃物を持っていたのか」と質問したところ、A氏は「ニャー」「それは言えないニャン」などと、猫の鳴き声のような奇妙な供述を繰り返しました。また、「携帯電話は持っているか」との質問に対しても、「そんなの私が答える必要あるニャ?」と応答するなど、通常のコミュニケーションが困難な状況でした。
幸いなことに、A氏の行動による負傷者は確認されていません。警察の調査により、A氏には精神疾患の既往歴があることが判明し、その後、病院に強制入院となりました。
結び
今回の事件は、公共の安全を守る上での課題と、精神的な健康問題を抱える個人への適切な対応の重要性を示唆しています。警察は事件の詳しい経緯をさらに調べた後、関係書類を検察に送致する方針です。
参照
- 本記事は、韓国の報道機関が報じた情報を基に作成されています。