日本の自動車税負担は米国の23.4倍?新税導入巡る議論と国民の懸念

1974年に田中角栄首相によって2年間限定で導入されたガソリン税の「暫定税率」が、51年後の今、ようやく廃止されるかと思われた矢先、政府が新たに「自動車利用者からの徴収」を検討しているとの報道が飛び込んできました。このニュースは瞬く間に国民の間に広がり、特に「ガソリン減税のかわりに新税?」という見出しで報じられた朝日新聞の記事やYahoo!ニュースには、約12,000件(8月28日時点)ものコメントが殺到し、大きな議論を呼んでいます。

石破茂首相、参院選敗北後の内閣支持率上昇という異例の状況で、増税策の行方が注目される。石破茂首相、参院選敗北後の内閣支持率上昇という異例の状況で、増税策の行方が注目される。

コメント欄には、「無駄な経費には手を付けず国民から税金として取り上げるかしか考え無いのか?」「暫定税率廃止の代わりの財源って、結局、名前が変わるだけで国民の負担は何も変わらない」「海外にはいくらでも躊躇なくばら撒く金はあるのに、自国内には渋って金を使わない」といった厳しい批判が相次ぎ、国民の不満が爆発する形となりました。埼玉県八潮市の下水道管破損など、日本のインフラが老朽化し、その対策が待ったなしの状況であることは疑いようがありません。しかし、その一方で、日本のドライバーが国際的に見ても過重な税負担を強いられているという事実もまた、明確に存在します。

世界的に見て際立つ日本のドライバー税負担

日本自動車工業会(JAMA)の試算によると、車両価格308万円の普通車を13年間使用した場合、自動車関連税の総額は65.6万円に上ります。これに対し、アメリカではわずか2.8万円であり、日本はその23.4倍もの負担を強いられている計算になります。ヨーロッパ諸国と比較しても、ドイツ(19.1万円)の3.4倍、フランス(6.9万円)の9.5倍という水準であり、日本の自動車関連税負担がいかに際立っているかが一目瞭然です。この数字は、どれだけの税負担と、それに伴う利権構造が日本に存在するかを物語っています。

さらに、ガソリンにはガソリン税に加えて消費税も課されており、これは事実上の二重課税であると指摘されています。このような状況下で、暫定税率の廃止と引き換えに新たな税をドライバーに課そうとする動きは、国民の理解を得ることが極めて困難であると言えるでしょう。

「石破政権」の増税路線と世論のねじれ

政治情勢を見ると、参院選で過半数を割り込み、自民党が厳しい状況にあるにもかかわらず、石破茂首相の内閣支持率は上昇傾向にあるという異例の事態が生じています。読売新聞が8月25日に発表した世論調査では、内閣支持率が7月の調査から17ポイントも急上昇し、39%を記録しました。この状況から、石破首相が増税を打ち出しても国民の理解を得られると考えている可能性も指摘されています。しかし、現状は少数与党であり、野党の協力なしには政権運営が立ち行かない状況です。果たして、野党が「新税」導入に賛成するかどうかは極めて疑問であり、前途は多難と言わざるを得ません。

ガソリン新税の議論だけでなく、自民党は参院選の公約であった「全員に2万円」という給付金についても見直しを示唆しています。次々と公約が覆される状況に対し、国民からは「話が違う」との不満の声が上がっています。このような「やりたい放題」とも言える石破政権の動向は、今後も注視されていくでしょう。

財務省思考が生む「差し引きゼロ」の増税策

政治ジャーナリストの有馬晴海氏は、「新税に関しては石破首相というよりは、宮沢洋一自民党税制調査会会長が仕切っていることですよ」と指摘します。有馬氏によると、暫定税率廃止による減収をどこかで補填しようという考えから、新税の案が浮上したとのことです。野党が「暫定」である以上、即時廃止を求めているのに対し、宮沢氏は「代替案を持ってこい」と主張しています。

国民生活の負担軽減のためにガソリン税を安くすることを求める野党の主張に対し、宮沢氏の考えは、別の形で同額の税金を取るというものであり、結果的に「差し引きゼロ」で国民には何のメリットもありません。有馬氏は、「結局なんでこういうことが起こるかというと、何が何でも代わりの財源を持ってこなきゃいけないっていう宮沢氏の頑なさですよ。宮沢氏っていうのはもう頭が財務省なんです」と述べ、宮沢氏が財務省の論理に強く影響されていることを示唆しています。

選挙に惨敗し、増税路線を推し進めたり、公約を破ったりしてもなお、内閣支持率が上昇するという現在の日本の政治状況は、多くの国民にとって非常に不可解なものです。国民が真に望んでいる物価高対策や、生活負担の軽減は一体どうなるのか、今後の政府の政策決定が注目されます。


参考文献:

  • FRIDAYデジタル
  • Yahoo!ニュース
  • 朝日新聞