東洋経済オンラインで連載されたワダユウキ氏の漫画『ゴミ屋敷 孤独な部屋の住人たち』は、ゴミ屋敷の現実や孤独死という目を背けたくなるテーマを扱っていますが、これらはすべて実話に基づいています。YouTube「イーブイ片付けチャンネル」で多くの現場を配信する大阪のゴミ屋敷清掃・不用品回収専門業者「イーブイ」が実際に見てきた事例が元となっています。今回は、急死した弟の部屋がゴミ屋敷と化していた現場の裏側を、イーブイ代表の二見文直氏の言葉と共に深掘りします。
10年越しの再会、そして「ゴミ袋だらけの奇妙な部屋」
漫画『急死した弟の「ゴミ袋だらけの部屋」見た姉の本音』は、10年間音信不通だった姉弟の物語を描いています。弟の突然の訃報を受け、姉が久しぶりに訪れた弟の家は、想像を絶するゴミ屋敷と化していました。イーブイがこれまで経験した数あるゴミ屋敷の現場の中でも、このケースは特に異様だったと二見氏は語ります。
「壁や天井の至るところにビニールひもが吊るされ、そこには無数のビニール袋がくくりつけられていました。風呂場の浴槽横の手すりにもびっしりと。袋の中にはきれいに洗われた弁当や総菜のトレーが入っており、これだけの生活ゴミがあるにもかかわらず、異臭が全くしない。非常に不思議な現場でした」と二見氏は当時の状況を説明します。片付け作業は2回に分けて行われ、1回目で生活ゴミを撤去し、3カ月後に残置物を整理しました。この期間、姉は現場に通い、遺品整理を通じて弟の死と向き合う時間を持ったのです。
没交渉の弟が急死した際、姉が訪れたゴミ屋敷の部屋に広がる、無数のビニール袋が吊るされた異様な光景
ネット上の「放置」批判に、専門業者が語る真意
イーブイがこの片付けの様子を動画で配信すると、「10年間も音信不通の弟を放置していた姉も悪い」「亡くなってから後悔しても遅い、生前に連絡をとっておけばいい」といった旨のコメントが多数寄せられました。第三者としてそう言いたくなる気持ちも理解できるとしながらも、二見氏はこう反論します。
「10年間の間に2人の間に何があったのか、第三者には決して分からないことです。絶縁状態だったのかもしれませんし、家族にしか理解できない複雑な問題があったのかもしれません。そうした状況に対して、部外者が軽々しくとやかく言うのは違うと思いませんか」。この言葉は、表面的な情報だけで他者の状況を安易に判断することの危うさと、家族間の関係性の深淵さを私たちに問いかけます。
参考文献
- ワダユウキ氏『ゴミ屋敷 孤独な部屋の住人たち』(東洋経済オンライン連載)
- イーブイ片付けチャンネル
- Source link: https://news.yahoo.co.jp/articles/07155ed70e1d04f6170aa9c99dc6effcd163fcba