ニュージャージー州で人気の西アフリカ系カフェ「Kọ Café」を共同経営するイズリール・アデヤンジュ氏(32歳)と親友サミュエル・オセイ=アフリイエ氏が、カフェが入居するビルそのものを購入し、自らのビジネスと資産形成に革新をもたらしました。家賃を支払う立場から一転、ビルの上階アパートメントをエアビー(Airbnb)として運用することで、年間10万ドル(約1500万円)を超える収益を上げ、安定した不動産収入を実現しています。本記事では、彼らがどのようにしてこの大胆な一歩を踏み出し、成功を収めたのか、その道のりを紐解きます。
「Kọ Café」誕生と物件購入への転機
「Kọ Café」は、ヨルバ語で「築く」を意味する店名を冠した西アフリカ系カフェです。ニュージャージー州に位置し、コーヒー、紅茶、スムージーのほか、サンドイッチ、サモサ、ナイジェリア風ミートパイなど、多岐にわたるメニューを提供しています。2023年、アデヤンジュ氏、彼の兄、いとこ、そして2人の友人を含む5人の創設者によってこのカフェは立ち上げられました。
当初、彼らはカフェのスペースを月額1400ドル(約21万円)で賃借していました。しかし、店舗が入居するビルには上階に2つの住居用アパートメントがあり、総面積約335平方メートルのそのビルが売りに出されることを知ります。家賃を支払い続けることに疑問を感じていたアデヤンジュ氏と共同オーナーである親友サム氏は、この物件の購入を決断しました。
親友同士であるイズリール・アデヤンジュ氏とサミュエル・オセイ=アフリイエ氏がニュージャージー州で購入したビル前で笑顔を見せる様子。コ・カフェの成功と不動産投資の象徴。
資金調達の課題と画期的な解決策
カフェ改装後のサム氏とアデヤンジュ氏にとって、物件購入資金の調達は大きな課題でした。黒人系ベンチャーキャピタルグループへの打診は不調に終わったものの、そのパートナーの一人から不動産共同購入支援企業「ネストメント(Nestment)」が紹介されます。
ネストメントは、投資家や金融機関の紹介、さらにはネストメント自身も共同投資を行うことで、彼らの不動産購入を強力にサポートしました。現在、アデヤンジュ氏はネストメントのコンサルタントも務めています。
共同購入の詳細とエアビー運用による収益化
サム氏とアデヤンジュ氏は、74万ドル(約1億1100万円)のオファーを行い、それが受け入れられました。現在、ビルの所有権はアデヤンジュ氏とサム氏が85%を占め、ネストメントを含む投資家が残りの15%を保有しています(ネストメントは売り手側のエージェントからも手数料の一部を受け取っています)。
購入資金の大部分は、元本55万5000ドル(約8325万円)の債務返済比率ローンで賄われました。このローンの月々の返済額は5900ドル(約88万5000円)に上りますが、彼らはこの大きな出費を上回る収入源を確立することに成功しました。
その鍵となったのが、ビルの上階にある2つの住居用アパートメントの「エアビー(Airbnb)」転用です。アデヤンジュ氏とサム氏は、これらのアパートメントを1泊あたり140ドルから175ドルで貸し出し、安定した宿泊客を獲得。これにより、エアビーからの年間収益は10万ドル(約1500万円)を超え、ビルのローン返済を大幅にカバーするだけでなく、カフェ事業の安定化にも貢献しています。彼らは賃貸物件のオーナーから、自らの不動産を所有し収益を上げる起業家へと見事に変貌を遂げたのです。
イズリール・アデヤンジュ氏とサミュエル・オセイ=アフリイエ氏の物語は、単なるカフェ経営者の成功談に留まりません。賃貸物件の家賃支払いに縛られる現状を打破し、不動産購入とエアビー運用を通じて新たな収益源を構築した、起業家精神と革新的なビジネスモデルを提示しています。彼らの挑戦は、小規模ビジネスオーナーが自らの資産を築き、財政的自立を達成するための具体的な道を指し示しており、多くの起業家や不動産投資家にとって示唆に富む事例となるでしょう。
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